雑考閑記

雑考閑記

雑な考えを閑な時に記す

事始め

2019年にもなって、いまさら個人的にブログを始めてみる。

 

元来こうした発信には消極的であり、やや否定的な人間であったのだが、歳を取って考え方も少しずつ変わってきているようである。

なぜ始めるのかを最初に記しておく。またはてなブログの練習として、いくらかの機能を使っておく。

(1)記憶、記録の外部保存および見える化

私のパソコン内には過去に書いた読書感想や、思弁思索妄想が多く入っていたのだが、これがパソコンの故障により失われてしまった、というのが大きな理由である。要は記録保管所の一つとして使用するわけである。その際に、見せても問題ないものはある程度見える化してしまってもいいだろうと考え、ブログに落ち着いた。この他にクラウドサービスも併用して、万が一のデータの損失を抑えていくようにしていく。

(2)記録、感想のアーカイブ

読書感想のうち、必要なものはその都度プライベッターに出しており、これらの記録は外部で生き延びていたわけであるが、あちらではいかんせんタグやカテゴリによる分類ができず、後から見直したり整理するのに不便であった。そうした不便を解消し、時系列や閲覧性を上げていく。

商業作品の感想などにはアマゾンのリンクなどを貼って、よりブログ的に運用していこうかと考えている。

(3)個人的な発信の強化

これまでは文章同人誌に書いているといっても、名前は表に出さなかったり、某都市倶楽部( 蒸奇都市倶楽部 電子広報 )の一員として書いたりということがほとんどで、私個人として発表する機会はほとんどなかった。

しかし昨年、その某倶楽部の面々がやむなき事情から多忙となり、活動を一時的に縮小する方針を採った。他の部員ほどではないが、私も少しだけ忙しくなったので、縮小方針には賛成した。そうしてサークルへ供出する以外のものを書く時間がわずかながら生じた。また、僥倖にも書かせてもらえる機会を少しだけ、本当にほんの少しだけ見つけられた。

こうした経験を通して、僕は僕が個人として書いたものや場を記録、発信する場が必要だと痛感した。このご時世に一人だけ紹介等の場所にリンクなどがないのは、心情としてもさびしい。

無論さびしいというだけが動機ではないが、ともかく「こいつはこういう人間ですよ」「こんなことをやってきましたよ」と場があればと感じたのは確かだ。

エッセイを書かせてもらう機会があったのだが、無名の人間のそれに誰が興味を向けるのか、と悩んだ時期があった。そうして、ちょっとは知ってる人が増えてほしいという思いもありブログを始めた。

なのでブログの開設は軌跡の可視化でもあり、ブランディングを行うためでもある。もっとも元々が地味な人間なので、地味にやっていく。知る人ぞ知る、程度にはなれることを望みながら。

(4)文章の練習

 小説は割と早く文字が進む快便なのだが、感想やエッセイは文字がよく詰まる便秘になりやすい。自身のこととして書く時に、どこまで自分を出していいかがわからないのだ。また、あれこれ浮かんだ考えをまとめるのが苦手なこともある。書いている途中で筋道がずれていくような人間である。そうした性向を少しでも修正するために、ブログを通じてそうした文章の練習をしていく。

 ブログ自体がある種のエッセイのようなものであると思っている。

 で、ここまで書いて約1300文字である。私が書くものは長文化しやすいので、それについても意識的に考えていけるようになればと考えている。

(5)写真

ここ2年ほどで写真を撮るようになった。といってもスマホは持っていないので、使っているのは何年前のものかもわからない中古のデジタルカメラである。得物の性能はともかく、写真自体も見たものや記録の外部化として始めたものである。他にも理由はいくつかある。

私は私が見た美しい景色や景観、息を飲むような場面などはしっかり覚えている人間なのであるが、そうして覚えているものを、言葉だけで人に伝えるのは苦労する。もとより感動を伝達できるとは考えていないが、せめて見たものは伝えたい。そうした時に写真があれば便利だと、云十年生きてようやく気付いたのである。人間は視覚から得る情報が多すぎるのが原因である。いや、私の口下手もたいがいであるが。

もう一つは、某都市倶楽部のお手伝いとして必要に駆られてである。出展した際の会場の記録や設営したブースの撮影、冊子の表紙や中表紙、挿絵のイメージの伝達、発行した冊子の書影など……、サークルとして記録するものは多い。

いずれにせよあれこれ撮り溜めたものがあるし、旅先で映したものも少なくはない。そうした写真を、やはり外部化していこうと思う。

何気なく撮っていたものが、数年後に見返すと貴重だっりすることもあろう。

ところでこの中古カメラはいつのものなのだろうか。親族から譲ってもらったものであるし、いまも問題なく使えているので、発売日など考えた試しもなかったが、せっかくの機会だと調べてみた。

松下の「LUMIX DMC-FX7」という型番。 2004年8月27日発売。15年前の機種であった。2000年より後は大雑把に「最近」とくくる感覚の人間なので、最近だな。

 

 長々と書いていて気付いたが、私は理由が一つや二つでは動機とならない人間であるようだ。複数の理由が積み重なってようやく行動を起こしている。

という具合に、私自身が何者かであるということも、ブログを始めた理由の一つであるかもしれない。