雑考閑記

雑考閑記

雑な考えを閑な時に記す

『大阪スチームパンク倶楽部』

『関西コミティア』で売り子の任を終えた僕は、蒸し暑いなか早々に帰宅の途に着いていた。南森町堺筋線に乗り換えたところで不意に睡魔に襲われる。ここのところ増税だとか半期末だとかで忙しくて、ほとんど睡眠時間が取れていなかったのが祟ったようだ。早めに帰って寝ようと思っていたのだが、睡魔はこちらの事情にお構いなしに僕を眠りへ連れ込んだ。

 

f:id:KS-2384ai:20191001000402j:plain

 どれほど眠っていたのか、ふと目が覚めたらどことも知らぬ階段の上に立っていた。どうすればこんなところで立って目覚めるのか。寝起きの頭ではまともな思考もままならない。

 

 背中からはまだまだ残暑の蒸し暑さが迫る中、目の前の打ちっぱなしの壁がとてもひんやり心地よいものに感じられる。

 このまま暑い中に戻るのもなんだか夏に舞い戻るようで気が乗らない。それに地下から風に乗って楽しそうな声も聞こえてくる。ちょっとぐらい寄り道してもよいか。ほとんど感覚的にそう思った僕は地下への階段を降りはじめていた。まるで誘いこまれるかのように。

f:id:KS-2384ai:20191001000407j:plain


そうして僕がたどり着いた地下には……。

 

f:id:KS-2384ai:20191001000413j:plain

 


 というわけで『関西コミティア』の後に『大阪スチームパンク倶楽部』というイベントに紛れ込んできました。枕は21世紀の恰好をした僕がいる違和感を解消する後付けの装置のようなものです。


『大阪スチームパンク倶楽部』はスチームパンク愛好家の交流会です。

 

 関西コミティアが1530まで天満橋で。大阪スチーパンク倶楽部が1700開場1730からで日本橋でと、まるで参加してくださいと言わんばかりな時間と距離の設定。

 スチームパンク「風」小説を旗印とする蒸奇都市倶楽部の売り子としてはもう参加するしかないなと。腹が決まれば足は軽いもので意気揚々と現地へ。

 

 会場となった黒門カルチャーファクトリーの雰囲気も相まって素敵な倶楽部でした。中では写真をぱちぱちやっていないので、ツイッターのタグ「#大阪スチームパンク倶楽部」で検索すればその雰囲気が感じられるかと思います。

 僕は小説一本やりなので、造形物としてのガジェットやそれらを包括するファッション分野はさっぱりなのですが、しかしスチームパンクという共通項ですから、普段の畑である文芸系イベントとはまた違う楽しさがありました。

 時間や都合もあって全ての方とはお話しできませんでしたが、今後もこういった催しがあるという情報をキャッチできれば可能な限り参加したいものです。

 

 日本のスチームパンクの主流は概ねファッションやガジェットでして、だからこそ、あえて同人誌としてスチームパンクの小説で「蒸奇都市倶楽部」が参加していく、そこに意義や開拓性があると改めて思いました。
 僕はハサミで紙をまっすぐ切ることもできない不器用な男なのですが、ものは書くのでその方面でスチームパンク感を伸ばしていきたいですね。ファッションは21世紀でも心とモノはしっかりスチームパンクとして邁進していきたいなと。

 

 と、決意を新たに持ったのはよいのですが、これ実はある種の再放送なんですよ……。というのもですね、僕が前にこういった催しに参加したのが2016年秋の『スチームパンク初心者の館 その6』でして。今回お話した方の何名様かとは当時もお話をした記憶がかすかにあります。

steamengine1901.blog.fc2.com

 

 今回の『大阪スチームパンク倶楽部』での参加でいろいろと決意は新たにしたのですが、当時のレポートと読み比べてみると、ほとんど何も新しいことは言っていない。「びっくりするほど変わってないなお前は」と、むしろ3年前から何も踏み出せていなかったじゃないかと当時の僕に呆れられそうなぐらいであります。

 言い訳をすると、色々と部員の方で環境の変化が相まってサークル活動を一時的に縮小するなど、身動きが取れない状態が数年続いていたので、そこで停滞していたわけです。今は小康状態です。

 しかし蒸奇都市倶楽部としてのサークル活動歴や、この3年で知己を得た方々も増えておりまして、こういった交流を地道に積み重ねていくのが大事なのではないかと、前向きに締めます。

 

 という、相変わらず下心を明け透けにした僕の野望というか希望でした。俺って絶対「冥土の土産に教えてやろう」みたいに自分からしゃべりだすタイプだわ。


 いずれにせよ、結局は情報のアンテナ精度に帰結するわけであります。

 ともかく良い刺激となりました。

 ご運営およびご参加の皆さま、ありがとうございました。