雑考閑記

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雑な考えを閑な時に記す

ゆうちょダイレクト

 なるものに入ったケチな人間のお話。

 パソコンやスマホからゆうちょ銀行のサービスの大半を利用できるサービスだ。

 こんなものを導入したいきさつを覚書として縷述しておく。

 

 僕はこれまで即売会や通信販売の支払いや送金は、全て銀行や郵便局に行って機械なり窓口なりで処理してもらっていた。

 わざわざ店に行っていたのは、僕が面倒臭がりだからだ。

 僕の中では「登録の手間>足を運ぶ手間」という図式が成り立っている。

 また、手元に新しい管理情報(パスワードなど)を増やしたくないという事情もあった。いまでさえメールアカウントやツイッター、アマゾンその他の個人情報に関する多くのアカウントやパスワードの管理に辟易しているのに、それを増やすなんてとんでもないと考えていた。おまけにここに蒸奇都市倶楽部の各媒体のアカウント管理も加わってくるのだ。

 しかもこれらのパスワードを定期的に無意味な文字列に置き換える作業も加わってくる。それに伴ってパスワード台帳を更新する手間も考えれば、面倒なんて一言で済ませられるものではない。

 ただ、扱う情報の性質上これらは疎かにはできない。

 こんな面倒なことをする手間を進んで増やしたいとは思えない。

 

 さらにもう一つ自覚している性質として、お金の管理が下手なこともある。

 そんな性質の人間が家で容易に支払いができる環境を構築すると、たちまち浪費がはじまりかねない。なので郵便局やATMまで足を運ぶ手間(面倒)をあえて挟みこんで、浪費を抑制しているつもりである。手元のお金もいつも最小限だ。

 要するに面倒臭がりを利用して自分の性質を抑え込んでいたわけだ。

 

 しかしゆうちょ銀行に関してはそうも言っていられなくなった。

 

 2020年の4月からATMでの電信振替(ゆうちょ銀行の口座間の送金)に初回から手数料がかかるようになったのだ。

 3月までは月1回までは無料で、2回目以降125円であったのが、4月からは回数に関係なく1回100円も取られてしまう。ちょっと前までは月3回まで無料であった。)

 マイナス金利なる情勢やATMの維持費、窓口の人件費を思えばやむをえない処置であろうが、ケチを自認する私には効いた。電信振替を主に即売会への参加費用支払いとして利用してきた身としては、月1回無料で辛うじて回せていたのだが、これからはそうもいかなくなるからだ。

 その折である、ATMに表示される画面でゆうちょダイレクトならば月5回まで無手数料であるのを知ったのは。

 そうなると登録にあまり躊躇はしなかった。

 100円の手数料が管理の手間をあっさり上回ったからだ。

 

 となると私は面倒臭がり以上にケチな性質の方が強いことになる。

 それは確かにその通りで、定価売りが主なコンビニはほとんど利用しないし(使うとしてコンビニ支払いぐらいだ)、手数料を嫌ってコンビニをはじめとした他行のATMも使わないような人間だ。

 結局のところ手間より金を惜しむのである、この男は。

 でなければ即売会のお品書きを手書きにしたりはしないし、コインロッカーを使わず重い荷物を延々とかつぎながら旅先で歩き回りはしない。

 

 こうして図らずもゆうちょダイレクトを使うことになる僕なのであった。

 パスワード管理や認証手続きの煩雑さは甘受しなければならない。

 

 さてお金の管理については……、パソコンからお金が出てくるようになったわけではないので、財布のお金はこれまで通り最低限とすればよい。支払いに関しては、ゆうちょダイレクトへのログインが面倒臭いので、これを利用してうまく抑制していければよいが……。

 通信販売などの支払いはコンビニ払いのみにしてしまうのも手か。

 いずれにせよ、付き合うのはお金ではなく自分の性質とである。

 お金が悪いのではなく、使いすぎる自分が悪いのだから。