雑考閑記

雑考閑記

雑な考えを閑な時に記す

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

資格がないという自覚は持ちたい

「実はぼく『文学フリマ』の参加資格を持っていないんです」 これは僕が『文学フリマ』に参加されている方と話すときの定番のひとつだ。 こう言うのにはむろん理由があって、それは文学フリマ公式の〈文学〉の定義、 文学フリマでの〈文学〉 「自分が〈文学…

あなたはどうかと問うとき自分はどうなのかとも問うている

何かについて人と話すという行いは自己言及であるとともに自己の内面を省察する行いでもある。 先日、久しぶりに会った人々と話す機会があり、その場で小説というものについて語る機を得たのでいくらか話をさせてもらった。 小説観について語ることイコール…

『魔風恋風』

久々に明治の小説を読んだ。 その名は『魔風恋風』。 絶筆に終わった『金色夜叉』の後に『読売新聞』に連載され、これを上回ると言われるほどの大人気を博した大衆小説だ。正確には再読となるのだが、数十年前にとある大学図書館で読んだきりで、おぼろげな…