雑考閑記

雑考閑記

雑な考えを閑な時に記す

2021-01-01から1年間の記事一覧

作品世界の言語について1(シワの見解:総論編)

ファンタジー小説(この項では『現在ならび現実と異なる世界を舞台にした作品』と大雑把に定義しておく。)において、どこまで日本語は許容されるのか。 これは趣味領域においても社会性の乏しい*1 僕でさえタイムラインでちょくちょく見かけてきた話題だ。 …

『人間裏街道』

人間裏街道 成瀬紫苑 Polaris*(2021年1月17日発行) あらすじ代わりのWebカタログ。 c.bunfree.net 学びの姿勢を失えば人間ではなくなる。 通学を主とするタイプの学校生活における勉強とは、各種の学科学問のみならず、教師や学年、クラスという疑似的な形…

資格がないという自覚は持ちたい

「実はぼく『文学フリマ』の参加資格を持っていないんです」 これは僕が『文学フリマ』に参加されている方と話すときの定番のひとつだ。 こう言うのにはむろん理由があって、それは文学フリマ公式の〈文学〉の定義、 文学フリマでの〈文学〉 「自分が〈文学…

あなたはどうかと問うとき自分はどうなのかとも問うている

何かについて人と話すという行いは自己言及であるとともに自己の内面を省察する行いでもある。 先日、久しぶりに会った人々と話す機会があり、その場で小説というものについて語る機を得たのでいくらか話をさせてもらった。 小説観について語ることイコール…

『魔風恋風』

久々に明治の小説を読んだ。 その名は『魔風恋風』。 絶筆に終わった『金色夜叉』の後に『読売新聞』に連載され、これを上回ると言われるほどの大人気を博した大衆小説だ。正確には再読となるのだが、数十年前にとある大学図書館で読んだきりで、おぼろげな…

『XXXの仮想化輪廻』

XXXの仮想化輪廻 著者:青波零也 装画:夏浦詩歌 発行:シアワセモノマニア 頒価:2500円(3冊セット) 2016年10月8日初版発行 天地が互い違いだが、デザイン上この仕様で頒布されていた。 文庫判の「Side:Euclid」「Side:Dahlia」およびA5判の「Image Note…

ネタバレのシワ的分類

先日ネタバレについて人と話す機会があり、僕なりに考えを深められたのでそれをまとめておく。 最初に書いておくと僕は生来ネタバレを気にしない。 一方で話した相手はネタバレには触れたくないという人だった。 今回そうした相手と「ネタバレとはいったいど…

関西2dayパスで乗る旅(後編)

鈴蘭台でポイントを堪能した後は日本で最も新しい施設を見に行く。 前記事 ks2384ai.hatenablog.jp

関西2dayパスで乗る旅(前編)

ひとくくりに旅といっても様々な目的が設定されるが、とりわけ移動好きの僕は「移動」それ自体が目的となり得る。*1 今回もそうした旅を行ってきたので例によって所感を交えつつ記していく。 使ったのはこちら関西2dayパス(カンサイスルーパス2dayチケット…

有言実行(感染対策スペースの予行演習)

即売会で売り子をするにあたっての新型コロナ感染対策のお話の続き。 お題目や心がけは前の記事で述べたので、実際にそれを形にする。 仕切り(パーティション)や本を封入する袋など、想定される必要な道具を整え、会議室(というか長机)を借りて設営の予…

追思と心掛け

今後も即売会などに売り子として参加するであろう身として、昨今の情勢を見て思うところを記す。 コロナの中でものを売るということ 今後も感染が収まるか見通せない中で売り子をするとして、やはりものを売る側として感染防止策は避けては通れないだろう。…

蒸奇都市倶楽部での監修がしていること

私が監修として携わっている蒸奇都市倶楽部の新刊『鐵と金剛』が2021年から発売(頒布開始)となる。(記事を書いている12月末時点では事前通販型イベント『テキレボEX2』のみで取り扱い中。) しれっと「監修」と書いたが、そもそも私が蒸奇都市倶楽部の監…