雑考閑記

雑考閑記

雑な考えを閑な時に記す

時代の後尾を行く

久しぶりの覚え書き。 どうも私は去る5月にスマホデビューを果たしたらしい。*1 世間的には何周遅れだというぐらい今さらのスマホデビューだ。といっても納車式や結婚式のような仰々しい通過儀礼があったわけでもないので、さしたる実感もない。(だから「ら…

『悪魔の機械』

たまには #スチームパンク 小説の感想。今回は「スチームパンク」という言葉が生まれるきっかけとなった作品のひとつ『悪魔の機械』。

作品世界の言語について2(シワの見解:監修編)

ファンタジー小説*1 において、どこまで日本語の熟語は許容されるのか。 前回はこの問題(?)の僕の基本的な見解を述べた。 ks2384ai.hatenablog.jp 「作者翻訳」の建前とその言葉の採択基準は、作品世界の強度(雰囲気)をどこまで保ちたいかにかかってい…

作品世界の言語について1(シワの見解:総論編)

ファンタジー小説(この項では『現在ならび現実と異なる世界を舞台にした作品』と大雑把に定義しておく。)において、どこまで日本語は許容されるのか。 これは趣味領域においても社会性の乏しい*1 僕でさえタイムラインでちょくちょく見かけてきた話題だ。 …

『人間裏街道』

人間裏街道 成瀬紫苑 Polaris*(2021年1月17日発行) あらすじ代わりのWebカタログ。 c.bunfree.net 学びの姿勢を失えば人間ではなくなる。 通学を主とするタイプの学校生活における勉強とは、各種の学科学問のみならず、教師や学年、クラスという疑似的な形…

資格がないという自覚は持ちたい

「実はぼく『文学フリマ』の参加資格を持っていないんです」 これは僕が『文学フリマ』に参加されている方と話すときの定番のひとつだ。 こう言うのにはむろん理由があって、それは文学フリマ公式の〈文学〉の定義、 文学フリマでの〈文学〉 「自分が〈文学…

あなたはどうかと問うとき自分はどうなのかとも問うている

何かについて人と話すという行いは自己言及であるとともに自己の内面を省察する行いでもある。 先日、久しぶりに会った人々と話す機会があり、その場で小説というものについて語る機を得たのでいくらか話をさせてもらった。 小説観について語ることイコール…

『魔風恋風』

久々に明治の小説を読んだ。 その名は『魔風恋風』。 絶筆に終わった『金色夜叉』の後に『読売新聞』に連載され、これを上回ると言われるほどの大人気を博した大衆小説だ。正確には再読となるのだが、数十年前にとある大学図書館で読んだきりで、おぼろげな…

『XXXの仮想化輪廻』

XXXの仮想化輪廻 著者:青波零也 装画:夏浦詩歌 発行:シアワセモノマニア 頒価:2500円(3冊セット) 2016年10月8日初版発行 天地が互い違いだが、デザイン上この仕様で頒布されていた。 文庫判の「Side:Euclid」「Side:Dahlia」およびA5判の「Image Note…

ネタバレのシワ的分類

先日ネタバレについて人と話す機会があり、僕なりに考えを深められたのでそれをまとめておく。 最初に書いておくと僕は生来ネタバレを気にしない。 一方で話した相手はネタバレには触れたくないという人だった。 今回そうした相手と「ネタバレとはいったいど…

関西2dayパスで乗る旅(後編)

鈴蘭台でポイントを堪能した後は日本で最も新しい施設を見に行く。 前記事 ks2384ai.hatenablog.jp

関西2dayパスで乗る旅(前編)

ひとくくりに旅といっても様々な目的が設定されるが、とりわけ移動好きの僕は「移動」それ自体が目的となり得る。*1 今回もそうした旅を行ってきたので例によって所感を交えつつ記していく。 使ったのはこちら関西2dayパス(カンサイスルーパス2dayチケット…

有言実行(感染対策スペースの予行演習)

即売会で売り子をするにあたっての新型コロナ感染対策のお話の続き。 お題目や心がけは前の記事で述べたので、実際にそれを形にする。 仕切り(パーティション)や本を封入する袋など、想定される必要な道具を整え、会議室(というか長机)を借りて設営の予…

追思と心掛け

今後も即売会などに売り子として参加するであろう身として、昨今の情勢を見て思うところを記す。 コロナの中でものを売るということ 今後も感染が収まるか見通せない中で売り子をするとして、やはりものを売る側として感染防止策は避けては通れないだろう。…

蒸奇都市倶楽部での監修がしていること

私が監修として携わっている蒸奇都市倶楽部の新刊『鐵と金剛』が2021年から発売(頒布開始)となる。(記事を書いている12月末時点では事前通販型イベント『テキレボEX2』のみで取り扱い中。) しれっと「監修」と書いたが、そもそも私が蒸奇都市倶楽部の監…

『抵抗都市』

抵抗都市 佐々木譲 集英社、2019年12月20日 第一刷発行 初出:『小説すばる』2018年10月号~2019年9月号 日露戦争に敗れた世界の日本のお話。 抵抗都市 (集英社文芸単行本) 作者:佐々木譲 発売日: 2019/12/13 メディア: Kindle版 時代は第一次世界大戦の開戦…

民営から公営の北神線と神戸市営バス最北のバス停

先日、神戸へ出た折に神戸市営交通の北神線に乗ってきた記録。 (阪急電車のパタパタを確認したついでの旅。) ks2384ai.hatenablog.jp 記録と書いたけれど、例の悪癖によってめちゃ長くなった。 民から公へ 神戸市バス64系統 箕谷にて 神戸市バス111系統~…

4か月だけのスタンプ-西日暮里

3月14日に山手線に高輪ゲートウェイ駅が開業した。 駅名決定から人、天候共に大荒れの開業日まで色々な話題を呼んだ同線の新駅であるが、その開業と同時にこれまで最も新しい駅であった西日暮里駅(年開業)は「二番目」に新しい駅になった。その西日暮里駅…

必要のついでに阪急のパタパタ確認

// 追加するmetaタグの作成 var newMeta = document.createElement("meta"); newMeta.setAttribute("name","robots"); newMeta.setAttribute("content","noindex"); // 作成したmetaタグをhead要素内末尾に追加 document.getElementsByTagName("head")[0].ap…

銭葵と春もみじ

梅雨に入る少し前、まだ好天続きであったころにゼニアオイが美しかったので。 ……ゼニアオイだよね、これ? 空き地の砂利に咲いている。 このまま一気に夏に突入するのではないかと思われる烈日のもと、働きバチが蜜集めに精を出していた。(写真ではぼけてし…

流行が流行であるうちは

雑談におけるコミュニケーションツールのひとつでしかない。 だから実際に流行っているものが好きかどうかはおそらく二の次だ。大事なのはそれが会話の糸口になるという点にある。流行は雑談における共通の話題としての起点でしかない。 流行している対象を…

アドレスを間違えていた話

とんでもない確認不足である。 個人サークルのアドレスの一部を誤っていた。 誤:4x8ha32★gmail.com 正:4x8wa32★gmail.com 上記のように「は」のローマ字表記ミスである。『4かける8は32』の「は」なので本来「わ」と読むので「wa」とすべきところを、「は…

ゆうちょダイレクト

なるものに入ったケチな人間のお話。 パソコンやスマホからゆうちょ銀行のサービスの大半を利用できるサービスだ。 こんなものを導入したいきさつを覚書として縷述しておく。 僕はこれまで即売会や通信販売の支払いや送金は、全て銀行や郵便局に行って機械な…

三島由紀夫vs東大全共闘

という昔の怪獣映画か東映まんがまつり(「〇〇対××」)みたいな題名のドキュメンタリーを見てきた。なぜか若い男女連れが3組くらいいたけど、題名を見て活劇的な作品だと勘違いしたのかもしれない。 時節柄15人ぐらいしか入っていなかったのでとても快適。 …

『暗翳の火床』Web版 公開

僕が蒸奇都市倶楽部に提供した作品『暗翳の火床』(アンエイのカショウ)が、小説投稿サイト「小説家になろう」と「カクヨム」にて連載開始となった。 ので、こちらでも作者として一応は告知をしておきます。 kakuyomu.jp 暗翳の火床 (小説家になろう) す…

衝動と承認欲求の対流

カクヨムにある個人企画での「ファンタジー作品なら何でも」「異世界以外」といった要綱を見ていると、ジャンルとはつくづく難しいものだなと思った。 企画者が言う「ファンタジー」「異世界系」はどういったものを想定しているのか、僕はそこが気になってし…

春先の淡路島(後編)

淡路島に行った記録の後半。 島に来た理由 島の西は夕日が良い とても良い木です 肝心の夕日は 帰ろう、本州に 公共の交通 夜の商店街 島を発つ 振り返って 島に来た理由 記念館を出たのは16時半ごろ。 次のバスを待たず海岸に出てまっすぐ北へ歩きはじめる…

野島断層保存館

淡路島にある北淡震災記念公園と、その中核施設となる野島断層保存館に行った記録。阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)に関連する施設だ。 公園にはモニュメントや慰霊碑が立っている他、物産館やレストランがある。 そんな記念公園の中心施設が「野島断層保…

春先の淡路島(前編)

淡路島は淡路市(旧、北淡町)にある野島断層保存館に行ってきた。 のだが、例によって記事が長くなったので、淡路島行きを前後編にわけ、それとは別に野島断層保存館の話をまた別仕立てにした。 唯一の航路 橋の開通で消えたもの 生まれたもの それでもあえ…

真面目にコツコツ当たり前

経験談。 多くの人にとって就職活動というのは人生の一大事だろう。 志望先や大きな目的が定まっている人にとってはそれも一つの通過点に過ぎないのだろうが、そうでない人にとっては受験よりも苦労する壁なのではないかと思われる。 自己アピールなどは特に…