雑考閑記

雑考閑記

雑な考えを閑な時に記す

感想(商業)

『悪魔の機械』

たまには #スチームパンク 小説の感想。今回は「スチームパンク」という言葉が生まれるきっかけとなった作品のひとつ『悪魔の機械』。

『魔風恋風』

久々に明治の小説を読んだ。 その名は『魔風恋風』。 絶筆に終わった『金色夜叉』の後に『読売新聞』に連載され、これを上回ると言われるほどの大人気を博した大衆小説だ。正確には再読となるのだが、数十年前にとある大学図書館で読んだきりで、おぼろげな…

『抵抗都市』

抵抗都市 佐々木譲 集英社、2019年12月20日 第一刷発行 初出:『小説すばる』2018年10月号~2019年9月号 日露戦争に敗れた世界の日本のお話。 抵抗都市 (集英社文芸単行本) 作者:佐々木譲 発売日: 2019/12/13 メディア: Kindle版 時代は第一次世界大戦の開戦…

三島由紀夫vs東大全共闘

という昔の怪獣映画か東映まんがまつり(「〇〇対××」)みたいな題名のドキュメンタリーを見てきた。なぜか若い男女連れが3組くらいいたけど、題名を見て活劇的な作品だと勘違いしたのかもしれない。 時節柄15人ぐらいしか入っていなかったのでとても快適。 …

『憑き物耳袋』

憑き物耳袋 倉光清六 河出書房新社(2008年8月30日)*1 もとは喜田貞吉を主筆とする『民族と歴史』*2 第八巻第一号(1922年7月)収録「憑物鄙話」。 憑き物耳袋 作者: 倉光清六 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2008/08/13 メディア: 単行本 クリック…

『オオカミの護符』『絶滅した日本のオオカミ』

オオカミの護符 小倉美惠子 新潮社(2011年12月15日) オオカミの護符 作者: 小倉美惠子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2011/12/15 メディア: 単行本 クリック: 16回 この商品を含むブログを見る (今は文庫版も出ている) 絶滅した日本のオオカミ――その…

『時刻表おくのほそ道』

時刻表おくのほそ道 宮脇俊三 文春文庫、1984年1月25日第1刷 (問)以下に挙げる本作収録路線のうち、2019年6月現在も旅客営業をしている路線はいくつあるか。社名変更や会社形態、運行会社の変更は問わない。 三菱石炭鉱業大夕張線(北海道) 野上電気鉄道…

『大大阪モダニズム遊覧』

大大阪モダニズム遊覧 橋爪紳也 芸術新聞社(2018年12月1日 初版第1版) 大大阪モダニズム遊覧 作者: 橋爪紳也 出版社/メーカー: 芸術新聞社 発売日: 2018/12/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 君は大大阪時代を知っているか。 いや、知らな…

『時刻表昭和史』

時刻表昭和史宮脇俊三角川文庫、昭和62(1987)年7月10日初版※昭和55年1980年7月に角川選書100として発売されたものの文庫化 時刻表昭和史 (角川文庫) 作者: 宮脇俊三 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 1987/07 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 17回 …

『幽女の如き怨むもの』

幽女の如き怨むもの三津田信三講談社文庫(2015年6月12日第一刷) 幽女の如き怨むもの (講談社文庫) 作者: 三津田信三 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/06/12 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (4件) を見る 読後に怪異の謎が尾を引くように残るシ…

『サンダカン八番娼館』

サンダカン八番娼館 山崎朋子 文藝春秋[文春文庫]1975年6月25日第1刷:1979年10月10日第12刷 サンダカン八番娼館 (文春文庫) 作者: 山崎朋子 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 1975/06/25 メディア: 文庫 クリック: 17回 この商品を含むブログ (5件) を…

『シベリア鉄道9400キロ』

シベリア鉄道9400キロ 宮脇俊三 角川文庫、昭和60(1985)年10月25日初版発表誌:『野生時代』昭和57年9月~58年4月号(11、12月号を除く6回に連載)単行本:角川書店・昭和58年5月 1982年、37年前のシベリア鉄道の旅。 シベリア鉄道9400キロ (角川文庫 (623…

2018年の読書など

忙しくなり2017年から比べて激減。 冊数を水増しするために、感想を書いたものも一覧に入れている。 ======================================== 10『錬姦作法』野坂昭如/文春文庫(1981)09『帝都東京 殺しの万華鏡 昭和モダンノンフィクション 事件編』新…

『帝都東京 殺しの万華鏡』

帝都東京 殺しの万華鏡 昭和モダンノンフィクション 事件編 新潮文庫編集部/新潮文庫(2003) 月刊誌「日の出」(昭和7年8月~昭和20年12月)掲載の事件記事より。 事実は小説よりも奇なりを地で行くような事件が掲載されている。 動機は痴情が多いものの、…

『騒動師たち』

騒動師たち 野坂昭如/角川文庫(1971年) 騒動師たち 作者: 野坂昭如 出版社/メーカー: 角川文庫 発売日: 1971/02/20 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る アンコのおっさんが大暴れする痛快劇。 彼らは媚びないし権力をなんやそんな屁みたいなもん…

『屍人荘の殺人』

屍人荘の殺人 今村昌弘/東京創元社(2017) 3人ぐらいに勧められたので読んでみた。 ○○絶賛みたいな煽りって不要だなと感じた。期待値を上げすぎて結局それを下回る原因。 単純に僕の肌には合わなかったかなと。 ネタばれ・辛口 これもそういう煽りがなけれ…

2017年に読んだ本

2017年に読んで何かしら感想を書いた商業出版本のリスト。 (20180110公開)

『おだまり、ローズ』『わたしはこうして執事になった』

おだまり、ローズ 子爵夫人付きメイドの回想 ロジーナ・ハリソン、新井潤美(監修)、新井雅代(訳)/白水社(2014) わたしはこうして執事になった ロジーナ・ハリソン、新井潤美(監修)、新井雅代(訳)/白水社(2016) おだまり、ローズ: 子爵夫人付き…

『世界文化小史』

世界文化小史 H.G.ウェルズ、下田直春(訳) 講談社[講談社学術文庫](2012) 1970年邦訳の再刊。原著は1922年に出て1946年に改訂されている。 本書は1922年初版の訳出で、第二次世界大戦後の改訂版ではない。この初版と改訂版の違いについては解説等で記…

地政学関連4冊

最強兵器としての地政学 あなたも国際政治を予測できる! 藤井厳喜/ハート出版(2016)図解でよくわかる地政学のきほん 新聞・テレビではわからない国際情勢、世界の歴史、グローバリズムがすっきり見えてくる 荒巻豊志/誠文堂新光社(2016)図解地政学入…

『台湾鉄路千公理』

台湾鉄路千公理 宮脇俊三 角川文庫、昭和60(1985)年8月25日初版 発表誌:『野生時代』昭和55年9月~11月号単行本:角川書店・昭和55年12月 台湾鉄路千公里 (角川文庫 (6160)) 作者: 宮脇俊三 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 1985/08 メディア: 文庫 こ…

『地政学入門 外交戦略の政治学』

地政学入門 外交戦略の政治学 曽村保信/中央公論新社[中公新書](2017改版) 地政学入門 改版 - 外交戦略の政治学 (中公新書) 作者: 曽村保信 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2017/07/19 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る 初版…

『女性を捏造した男たち ヴィクトリア時代の性差の科学』

女性を捏造した男たち ヴィクトリア時代の性差の科学 シンシア・イーグル・ラセット、上野直子(訳) /工作舎(1994) 「女性に天才などいない。女性の天才は男性なのだ」――ゴンクール 今の時代からするとすごい言葉だなこれ。 女性を捏造した男たち―ヴィク…

『ヴィクトリア朝英国人の日常生活(上・下)』

ヴィクトリア朝英国人の日常生活(上・下) ルース・グッドマン、小林由果(訳)/原書房(2017) ヴィクトリア朝英国人の日常生活 上:貴族から労働者階級まで 作者: ルースグッドマン,小林由果 出版社/メーカー: 原書房 発売日: 2017/07/11 メディア: 単行…

『不言不語』

不言不語 尾崎紅葉 岩波文庫 昭和27(1952)年 第一刷撥行 ※読んだのは昭和28(1953)年「撥行」の第四刷 不言不語 (1952年) (岩波文庫) 作者: 尾崎紅葉 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1952/02/05 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る (2018010…

『ベルリン1919』『ベルリン1933』『ベルリン1945』

ベルリン1919 ベルリン1933 ベルリン1945 クラウス・コルドン、酒寄進一(訳)/理論社(※) ※邦訳刊行年は『~1919』2006年、『~1933』2001年、『~1945』2007年 三部作、原著刊行順(邦訳刊行順ではない)に書いていく。 総合的に読んで良かったと思える…

『世紀末までの大英帝国』他

世紀末までの大英帝国 近代イギリス社会生活史素描 長島伸一/法政大学出版局(1987) 世紀末までの大英帝国―近代イギリス社会生活史素描 (叢書・現代の社会科学) 作者: 長島伸一 出版社/メーカー: 法政大学出版局 発売日: 1987/04 メディア: 単行本 クリッ…

『フィリグリー街の時計師』

フィリグリー街の時計師 ナターシャ・プーリー、中西和美(訳)/ハーパーコリンズ・ジャパン[ハーパーBOOKS](2017) フィリグリー街の時計師 (ハーパーBOOKS) 作者: ナターシャ・プーリー,中西和美 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン 発売日: …

『聖エセルドレダ女学院の殺人』

聖エセルドレダ女学院の殺人 ジュリー・ベリー、神林美和(訳)/創元推理文庫(2017年) 舞台が予期せぬヴィクトリア朝イギリスだったわ。ビッチさんいいな。こいつとリーダー格が性格的に出番多いしよく動く。 (20170717公開)

『坊っちゃんのそれから』

(20170715公開) 坊っちゃんのそれから 芳川泰久/河出書房新社(2016年) 一言でいうと「なんやねんこれ」と。 ネタバレ、辛口