雑考閑記

雑考閑記

雑な考えを閑な時に記す

『時刻表昭和史』

時刻表昭和史
宮脇俊三
角川文庫、昭和62(1987)年7月10日初版
※昭和55年1980年7月に角川選書100として発売されたものの文庫化

時刻表昭和史 (角川文庫)

時刻表昭和史 (角川文庫)

 

 

題名の『時刻表昭和史』は「私の」を冠すべきであったかもしれない。(中略)概説的な時刻表通史を期待された読者がおられたとすれば、申し訳ないと思っている。(「あとがき」より)

 私も最初はその口であった。しかし、それを予見していたかのようにあとがきで謝られてしまってはかえって恐縮である。ここに書かれている通り題名に昭和史と銘打ってあるが、本作は宮脇俊三が青春時代を回顧する自叙伝に近い。

 扱われる期間は昭和8年の小学生時代の思い出から昭和20年8月15日まで。
 むろん鉄道好きの宮脇俊三であるから、いずれの章においても描写の中心となるのは鉄道だ。12の列車ごとに章立てされており、この各列車への乗車記録を中心に、その前後の身の回りの思い出や時代の出来事などが活写されている。

 

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『幽女の如き怨むもの』

幽女の如き怨むもの
三津田信三
講談社文庫(2015年6月12日第一刷)

幽女の如き怨むもの (講談社文庫)

幽女の如き怨むもの (講談社文庫)

 

 読後に怪異の謎が尾を引くように残るシリーズで、本作もそういう部分があるにはある。
 が、なぜだろう、僕は逆に推理部分に納得しすぎてしまい、これまでの作品に感じた尾を引く印象を覚えなかった。

 

推理小説
ネタばれ注意

 

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『ラブホテルアンソロジー「満室になる前に」』寄稿

 ・ラブホテルに入るまでと、出てからの2場面を小説の全部もしくは一部とするもの

 (※ここでのラブホテルの定義は、風俗営業法などで定められているような厳密なものではありません。読者に「想起」させられればOKです)

 ただし、短い回想を除いて中の出来事を書いてはならない。

 

 そんな規定のもとで書かれた作品集『ラブホテルアンソロジー「満室になる前に」』に拙作『家族不在』を寄稿しています。作品集の主宰はごうがふかいなHDのひざのうらはやおさん。

「満室になる前に」5月6日(月、祝)開催の『第二十八回文学フリマ東京』にて頒布される。A5判2段組み、102ページ、800円。

 頒布場所は『 シ-11 』ひざのうらはやおさんのごうがふかいなHDで。

c.bunfree.net

ラブホテル。
 それは、人々の夢を形にする場所。愛を紡ぐ場所。
 つかの間の憩いの場。

 本作品集は、「ラブホテルに入るまでと、出てから」という場面を描いた、7名によるアンソロジーです。
 運命が交錯するその場所をご覧ください。

文学フリマWebカタログより引用)

 作品と執筆者は次の通り(敬称略)。

  • 『ひとでなしの熱い一夜』藤ともみ
  • 『花売りのむすめ』ひのはらみめい
  • 『にいちゃんのいうことには』madeleine
  • 『神はサイコロをふらない』ひざのうらはやお
  • 『想いは水色』泉由良
  • 『精米』オカワダアキナ
  • 『家族不在』シワ

 

 シワの『家族不在』はある母との関係に悩む息子のお話。

 1万6000文字弱の短い作品なので、あらすじらしいあらすじというか、自作をどう紹介してよいか、例によって売り所がわからぬ(書きたいように書いた)ので、それだけ書いておく。

 例によってといえばもう一つ。やはりこれも規定の文字数ぎりぎり(4000~1万6000文字)となった。いつだってスペースをめいいっぱい使ってしまう。

 

 私のことはさておき、連休中の文学フリマにお立ち寄りの際は『ラブホテルアンソロジー「満室になる前に」』をよろしくお願いいたします。

 

作品規定など

houhounoteiyudetaro.hatenablog.com

 

執筆者など

houhounoteiyudetaro.hatenablog.com

 

 

『科学文明の海』ボツコメント

 蒸奇都市倶楽部より2019年3月に刊行した雑誌『蒸奇都市倶楽部報 短編集「科学文明の海」』(A5版140ページ500円)の末尾に、自作の著者解説(コメント)を掲載させてもらっている。

 

steamengine1901.blog.fc2.com

 参考に一作品分だけ引用する。

 『再会は別れのついでなり』 テーマ:再会

 勉強の合間に出会い別れる二人の一幕を三つばかり。開戦から終戦、戦後の混乱と激動が続く帝都でありますが、歴史を学ぶだけの者には、そうした一連の出来事が過去の焼き増しに見えてくるのかもしれません。
 ですがそれは現実を見ていない者の観念でしかありません。今を必死に生きる人々とっては目の前の全てだけが現実で、他の考えを持つ余裕ないのですから。そんな人々に「過去にもこんなことはあった」と突きつけてなんになりましょう。
 なんにもならないから、二人はすれ違うのですが。

 

 かなり近い関連作に『全一なる城の幻と影をおもう』(「小説家になろう」掲載)があります。

 なお、この作品は『小説家になろう』でも公開している。

 

 編集に提出した複数案のうち、没になったものを個人的なこちらに掲げておく。

※元の記事名を『落選コメント』としていたが、これだと掲載から落選したように見えるので没コメントへと変えた。

 

 

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第8回テキレボにかかる上京記(まとめ)

 2019年春の上京のまとめ記事です。

概要

 2019年3月21日(木、祝)開催の『第8回Text-Revolutions』(以下、テキレボ)に参加するため、3月20日(水)から24日(日)までの5日間ほど旅に出ていた。
 このブログでは2日目となる21日(木、祝)のテキレボ部分を除いた5日間を8回に分けて記事化してきた。ずいぶんと長くなってしまったので、最後にまとめ記事を作って一連の上京記を終わりにしたい。

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