雑考閑記

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雑な考えを閑な時に記す

それでも上京したやつの話(2019年10月15日:5日目:それはそれで楽しい)

 イベントはなくなったのに東京へ行った男の話の5日目。
 すったもんだの末に途上の経路を変更して金沢へ向かう。ほぼ一日ずっとバスで過ごしていた。僕の信条は「トラベルにトラブルはつきもの」なので、変更があったらあったで、そっちも楽しんでしまえる。もっとも心残りはあるのだが……上高地

 

10月15日(火)曇り/晴れ(長距離を移動したので同じ場所の天気ではない)

 

 

バスタ新宿へ向かおう

東京駅へ

 ラッシュに巻き込まれるの覚悟で7時過ぎに宿を出る。東京で駅弁を品定めしたりすれば時間は過ぎるだろうし、早く着いてもバスタ新宿だと時間も潰しやすいだろう。*1

 

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 スカイツリーには雲がかかっていた。

 

 南千住から東42甲系統に乗って東京へ向かう。ずっとお世話になりっぱなしの路線だが全区間を乗りとおすのは初めてである。というかそのために宿の最寄から乗らずわざわざ南千住まで歩いて出た。

 平日の朝なのでバス停ごとに人が続々乗ってくる。スーツ姿の人が多いが、そうでない人も目立つ。いずれにせよ通勤ラッシュ中に大きな荷物を持った旅する者は肩身が狭い。*2
 このまま東神田や東京まで混んでいるのだろうかと思っていると、東武浅草で大半が下りた。なるほど、ここで輸送の波が一区切りされて、そのあとまた東京まで徐々に増えていくのだろう。
 そんな風に予想していたが、浅草橋でまとまった乗降があったほかは東武浅草までほどには増えずに東京駅八重洲口へ。高速バス乗り場の南側のこじんまりしたところに出入りする。

 

 中央線は人身事故でさきほどまで止まっていたという。台風があってもなくて止まるのね。いまは運行を再開しているらしいが、当然ながら遅れが出ていてダイヤ通りではない。早めに出てきてよかったと思う。

 

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 運賃表にはまだ開業していない羽沢横浜国大の表記が目隠しなしで表示されてている。この区間が開業するのは11月30日。

 下の「01-001 東京-07A 1115x965(100)1-12-12 2019年10月1日」の表記から消費増税で更新した際に対応したのだろう。それにしたって普通は開通までシール等で隠すものだが……。

 

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 新幹線の発車時刻表。多彩な行先の中、金沢行きだけが消えている。

 

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 AIさくらさん。かわいい。

 

 構内で駅弁を買う。折しも『駅弁味の陣2019』の期間であるので、あれこれと普段と違う品揃えが目を引く。味の陣には前々より参陣したかったのであるが時期が合わなかったが、今回ようやくの初陣とあいなった。何を買ったかはまた後で食べるときに。

www.ekiben-ajinojin.com

 

新宿駅

 時間に余裕があるのでダイヤが乱れに乱れた中央線ホームへ。行先はばらばらだが本数自体はそこそこ走っていたので、*3 新宿へ出るのに苦労はしなかった。新宿まではかなり空いていたので大荷物でも安心して座れた。

 

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 新宿駅中央線特急ホームの掲示。不通区間の被害状況写真が貼られていた。こりゃ走れませんわ。「あずさ」「かいじ」など中央線の特急は10月末まで運休が決定していた。*4

 

 しばし新宿駅でだらだらと過ごす。軽食にスコーンが食べたかったのだが、構内で見かけたものはどれも高い。なぜスコーンはあんなにも高いのだろうか。せめて120円~130円ぐらいであればなあ。

 

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 SVOことスーパービュー踊り子の251系。

 

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 1990年デビューだが、写真のRE-4編成は92年登場の二期組。来年で30周年。

 

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 僕の中ではまだまだ新しいイメージであるが、さすがにガタがきていた。
 先般11月5日、6日にSVOの後継と目される「サフィール踊り子」の車両E261系が落成、関東へと輸送されており、いよいよ引退が近いかもしれない。

tetsudo-shimbun.comnews.mynavi.jpnews.mynavi.jp

 

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「踊」の字に「ー」が食い込んだこのデザイン好き。遠くから見ると「踊」としっかり視認できるんだよね。

 

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 お向かいに「スワローあかぎ」到着。「スーパーひたち」から転用された651系。こっちは1989年デビュー。30年ものだけどまだしばらくは走りそう。

 SVOの251系や成田エクスプレス253系とともにJR東日本発足初期の在来線特急車として記憶に新しい、のは僕がおっさんだから。

 

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 ペンギン広場はいまも工事中。来年6月までペンギンには会えない。

バスタ新宿

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 新宿駅の新南改札(旧・新南口)*5 を出て正面にあるバスタ新宿の広大な発車標。液晶パネルを6枚も並べてある。

 

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 右下に現在時刻 9:45 とあるが、そのすぐ上のバスは 10:55 発。1時間以上も先の時刻が表示されているのだから驚き。しかもこの間5分刻みに各方面へのバスが多数発車している。しかもそのすべてが高速乗り合いバスだ。まさに日本最大級の高速バスターミナルにふさわしい。

 

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 記事は『発時刻、行先、便名(一部は支払い案内)と号車、運行会社、空席の有無、乗り場もしくは運休告知』の順。土砂崩れにより不通となっている中央道を走る山梨長野方面へのバスは軒並み「運休」表示。

 

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 待合室にはその旨の張り紙があった。新宿駅と同じように現地の状況写真も添付。こりゃ走れませんわ。

 

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 バスタ新宿は春にも訪れたが、その時は見学目的であった。今回は名実ともに客として利用する。11時発の我らが金沢行きが表示された(下から二つ目)。ターミナルへ向かおう。

 

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 4階。色分けされたAからDの4エリアに3つの乗り場、計12の乗り場がある。乗り場の番号はA1~A3、B4~B6とD12まで通しだ。(写真の一部は3月に撮影したものを使用。天気が違う。)

  それぞれのエリアは4階の外周部に沿っている。中央部には約10台ほどのバス待機場がある。なんて文字で説明するより公式の案内図を見た方がわかりやすい。

フロアマップ - 新宿高速バスターミナル | バスタ新宿, SEBT

 

 概ねエリアごとに行き先が分かれているようで、液晶パネルなどの一覧時刻表を見た範囲では次のようだった。

 橙色のAエリアは空港リムジン、北関東、千葉、福島方面。
 青色のBエリアは箱根、山梨、静岡方面。
 緑色のCエリアは草津伊香保など群馬西部、信越方面。
 紫色のDエリアは東京ディズニーリゾート、北陸、東北、名古屋、関西、旧ツアーバスなど雑多。長距離路線が多い。

 

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 ミライナタワーと接続している待合スペースは広く、椅子の数もかなり多い。3時半から1時半まで開いているが、ここまでくると1時半から3時半までの2時間しか締め切っていないといった方が正しいかもしれない。

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 発券カウンターも長い。売り場はネット予約、販売がメインの旧ツアーバス系には対応していない。

 

 頻繁に発着するバス。立ち代わり入れ替わりするのに全く絶えない人々。お土産を買ったり乗車前の一杯でくつろいだりトイレに駆け込んだり、電話で実家らしきところに報告したり、いろいろな人生がそこに存在している。この駅は下手な鉄道駅よりもターミナル感を味わえる場所だ。というよりも、日本の鉄道駅からこういった“始発駅”感が薄れてしまったという方が近いのかもしれない。

 

 こんな場所では時間もあっという間に過ぎてしまう。

今日のメインは高速バス

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 写真奥、我らが「金沢エクスプレス」号が乗り場に入っていくのが見えた。

 このバスは11時にD11乗り場を出るのだが、その前に同じ乗り場を使用している大阪梅田行きが出ると、早々に乗り場にやってきて改札を開始するようだ。これが実に良い。

発車20分以上前に車内に入れると始発駅から乗る楽しみというか、価値というか、余裕があって落ち着けるのでとてもよい。逼迫した東京駅の余裕のなさ(折り返し12分で、発車2~3分前に乗車)は仕方ないにしても、余裕がある駅では早めに据え付けてほしいと思う。

それでも上京したやつの話(2019年10月11日:1日目:グランクラス・リベンジ) - 雑考閑記

始発駅なのに停車時間が短いのは慌ただしくて好きではない。

それでも上京したやつの話(2019年10月11日:1日目:グランクラス・リベンジ) - 雑考閑記

 米原から特急、金沢駅から新幹線に乗るときにこう書いたが、発車の20分近くも前から改札をして車内に入れるのも、バスタ新宿が始発駅という感じを強めてくれる。もっとも停車スペースと時刻の関係で今回はたまたまそうなっただけだろう。他の乗り場だと意外に慌ただしいようだ。

 

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 D11乗り場の液晶案内。下の名古屋行きの記事を見てほしい。「直接乗り場へ~」の「直」が繁体字(?)になっている。しかし案内自体は日本語である。どこ向けだ。上の金沢はしっかり向こうの字になっているのに。

 

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 D11乗り場単独の時刻表には金沢をはじめ、名古屋、仙台、新潟、長野など遠方の都市名が並んでいた。ん? 長野行けるの? と思ったが、便名とネット販売の表記からすべて旧ツアーバス系のものだった。何らかの経路でフレキシブルに運用しているようだ。旧ツアーバスの強みといか、運休している会社との方針の違いなのだろう。

 

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 この満席表示を作ったのは、最後に席を埋めた僕だと主張したい気になった。何と小さな支配欲だ。時々そういう誘惑に駆られるものが人間だと思う。ともかく、最後の一席を取れて金沢へ行けるのは僥倖であった。

 

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 新宿で見られる金沢の表記。

 

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 長距離路線なので3列独立シートで、各座席にコンセントとフットレスト、ブランケットつきである。満席なので車内の写真はなし。

 

出発:東京~群馬

 新宿を出ると都内は池袋(東口)、下落合、練馬(区役所前)、関越道に乗って埼玉の川越的場と停まる。そのあとは休憩や乗務員交代を除いて金沢までノンストップとなる。

 関越道の起点となる練馬インターは、関東から各方面へ延びる高速道路では唯一首都高と接続していない、というのは有名な話だ。 練馬インターまでは目白通りを走るので、信号や渋滞によく引っかかる。都心から関越道は乗るまでが長い。
 といっても、発車してすぐに眠気に襲われはじめたので、何分かかったかはわからない。ほぼ徹夜だったので眠れるときに眠っておく。

 

 乗車中の居眠りは心地良い。

 目が覚めたのは埼玉北部の田園地帯だった。遠くに秩父の山々が見える。雲が多い。

 他の乗客は眠ったりスマホをいじったりとあまり車窓に興味がなさそう。

 しばらく走って新幹線の下をくぐって最初の休憩地、上里SAへ。

 

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 埼玉の北端部らしい。


 休憩を終えたバスはすぐに神流川を渡って群馬に入る。このままさらに北上して高崎方面へ、と思っていたらバスが西へ曲がりだした。
 ん? どこへ向かうのだ。

 関越道で長岡まで行くのでは、と思っていた私は上里SAで調達した地図を慌てて広げる。ここから分岐しているのは上信越道だ。軽井沢、長野を経由して日本海側へ出る、ほぼ北陸新幹線と同じルートの道だが、はて、上信越道も確か不通区間があったような。たとえ中央道が不通となっても長野までは上信越道で迂回できるのだが、こちらまで不通になっているからこそ長野方面へのバスが軒並み運休になっていたわけで、その運休も回避しているこのバスは、どちらの影響も受けない区間、つまり関越道を日本海側に出るまで北上するものと、僕はてっきりそう思っていた。

 しかしバスは「普段通りですが?」みたいな顔をして上州を西へ走り出す。運転手の案内もない。僕が情報から遮断されている間に上信越道の不通が直ったのだろうか。まあ、それは乗っていればわかることであるが、谷川岳を貫く関越トンネルにはいくらかの未練を残す結果となった。

 

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 ちらりと見えた榛名山っぽいやつ。雲で隠れている。

 

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 おそらく妙義山

長野県へは迂回路で

 バスは鏑川の段丘地帯を走り、下仁田インターで上信越道を捨てた。

 ここで迂回で地道(下道)を走る旨の案内が運転手より入る。不通区間下仁田インターの次の松井田妙義から長野県の佐久までとなっているのは高速道路の案内で確認している。手元の地図と照合すると下仁田から長野県の佐久市中込までR254が通じている。迂回路はこれに間違いないだろう。

 

 不通区間を回避して長野県へ抜けるには主に二つの道がある。
 ひとつは下仁田から佐久市の中込まで内山峠を超える、このバスが取ったルート。
 もう一つは松井田妙義インターからR18こと中山道を通って、横川から碓氷バイパスで軽井沢へ抜けるルート。後者の横川~軽井沢間は前に通ったことがあるので、今回は別のルートで楽しめる。やったね。
 ちなみに両者は直線で約10km離れている。

国道254号線で山越え

 二車線の小さな道路を大型バスが走る。同じく不通区間を回避した大型トラックが前後に何台か続いており、場違いなところに踏み込んだような走りをみせている。 ときどき大型バスともすれ違う。長野方面からのバスで走っているものはみんなここを使って迂回しているようだ。新宿で旧ツアーバス系の長野行きが運行されていたのはここを通るからなのだろう。

 

 群馬といえばこんにゃくであるが、こんにゃく芋の実に9割が群馬産であるが、その最大の産地が下仁田である。*6 あちこちにこんにゃくの看板があった。

 

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 そして下仁田といえばもう一つ、下仁田ネギも有名だ。沿道のあちこちにはそれらしい畑があり、いい感じに生えていた。
 調べたところ下仁田ネギは秋に種をまき、翌年の冬に収穫するとのこと。実に約15か月、1年以上かけて畑で育てるのである。ここまで育っているのは昨年のこの時期に播種したものだろう。

 

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 下仁田ジオパークのポスター。
「荒船風穴」は世界遺産富岡製糸場」の構成資産である。富岡製糸場の生糸生産に重要な役目を果たした場所だ。自慢になるが世界遺産の認定前に、「風穴めぐり」の一環で見学したことがある。夏には内部から霧が噴き出すほどの温度差で、これを利用して蚕の卵を冷蔵し、一年を通じて生糸を生産できるようにしていた。

 

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 上信電鉄の終点、下仁田駅をなんとかとらえられた。高崎から伸びる地方私鉄である。
 このあたりで14時半ごろ。新宿を出てすでに3時間半が経っていた。

 

鏑川をさかのぼり荒船山の懐へ

 

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 下仁田の中心部をすぎると鏑川が寄り添う。先日の台風による氾濫で下流富岡市で浸水被害が生じさせた河川だ。台風が去って3日が経つが、鏑川はまだまだ水量が多く、泥色に濁っていた。

 

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 上流部でもまだこれほどである。一部の岸辺はえぐれ、大きな流木がひっかかったままの橋げたも見かけた。

 

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 川沿いのわずかな土地もとうとう尽きる。

 

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 そのころには前方に特徴的な形状を持つ山がそびえている。荒船山だ。誰が見てもそうだとわかる絶壁が目立つ。

 

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  バスは九十九折れで高度を稼いでいく。 切り返し地点などでわずかに下界が見える。

 

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 向かう山々は深い。
 さようなら関東、また来る日まで。

 

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 荒船山雄大な姿。

 

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 固い部分だけが浸食されなかったのでこういう形で残っている。

 

 やがて内山峠を越える隧道へ。電灯が一つもない真っ暗な隧道。

 

長野県へ

 隧道を抜けて長野県へ入ったのは15時頃であった。ここまで4時間、所定8時間の約半分を使っている。もう4時間、早い! しかしまだまだ乗っていられるのが楽しい。

 

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 急峻な関東側から一転、長野側は高原になっているので道はなだらかだ。

 

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 佐久平に出ると北側に浅間山が見えてくるが、この天気なのでやはり雲に隠れていた。浅間の山容は本当に数えるほどしか見たことがない。

 

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 小海線中込駅のちょっと北側をまたいで千曲川を渡る。被害があった長野市はもっと下流になる。

 

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 やはり見えない浅間山

中部横断道上信越道に復帰

 中込を過ぎて佐久南インターから中部横断道に入る。この横断道の北の突き当りが中央道に通じているので、そこからルート復帰を果たすのだろう。
 ところで中部横断道とはいうが南北に走っているので縦断道ではないかと思う。まだ未開通の区間がある道だが、現在も順次に工事が進んでいる。ただ長野県の未開通部分はいつになるのかは不明だ。

 

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  見事に本体だけが隠れている浅間。

 
 しばらく走ると北陸新幹線をくぐる。この場所を4日前に新幹線側から見た写真が下記の引用。下の道路をいま走っている。

f:id:KS-2384ai:20191022065906j:plain 佐久平から望む浅間山は今日も雲に覆われていた。半年前あれほどの晴れ間で全容を見られたのはやはり奇跡であったのかもしれない。そして4日後のレポートで触れるが、東京からの帰りでは台風の影響で下をくぐっている道路(中部横断自動車道)を通ることとなる。この時点ではそんなこと予期してもいなかった。

それでも上京したやつの話(2019年10月11日:1日目:グランクラス・リベンジ) - 雑考閑記

 たまたま撮影していたが、まさかここを車で通るとは思ってもいなかった。

 

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 その後も何度も浅間山を撮り続ける。他の部分は晴れているのに山だけに雲。

 

長野から夜の富山

今日の食事(1回目)

 執着していた浅間山が後方に去ったので食事とする。
 東京駅で買ったこれ!

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 茨城の大洗といえばあんこう! 駅弁秋の陣2019の出陣弁当のひとつ、あんこう三昧弁当。あんこうのから揚げ、あんきも煮、味噌煮を味わえる。錦糸卵も良い味わいであった。美味しい!

あんこう三昧弁当|JR東日本駅弁味の陣2019

自衛隊災害派遣

 東部湯の丸SAに乗務員交代のため停車。

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 お隣には災害派遣自衛隊が。第12旅団は群馬県、栃木県、新潟県、長野県の担当。その第12後方支援隊は高崎にいるので、先の台風の被災地へ向かう向かう途中なのだろう。

 上田ローマン橋を渡ってトンネルが増えはじめたあたりで再びうとうと。

川の向こうで

 ふたつ目の休憩地、小布施PAの手前で目覚める。

 ここは千曲川の決壊による浸水で大々的に報じられた長野新幹線車両センターの対岸。

 

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 写真に写っているのは松川という別の川であるが、これは千曲川の堤防の中を流れている。川向こうはさらに一段下がってリンゴ畑が続き、その向こうに千曲川が流れている。その対岸をちょっと行った先が車両センターで、直線で2.5kmほどである。
 そういう地点に自分がいま立っているのが不思議な気がしてくる。

 

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 時刻は16時半。日は傾き雲は厚く、加えて関東からずいぶんと北上したためか、まだ夕方なのに底冷えがする。

 

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 西日本JRバス

 JRバス各社には国鉄の名残をとどめる「つばめ」マークをこれからもずっと使い続けてほしい。JR九州バスは、まあエンブレムが残ってるし……。

 

今日の食事(2回目)

 そろそろいい時間なので次の弁当を食べる。今度はこれ!

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 三浦半島の突端、三崎といえばまぐろ! 三崎の鮪づくし弁当今年の3月に出た新作駅弁。鮪カツ(ソースつき)、鮪フレーク、鮪の揚げ煮とまぐろ三昧! ひじきも好き。美味しい!

 

 千曲川を渡り善光寺平に別れを告げ山間へ分け入るころには日が沈んでいた。これから黒姫山妙高山の近くを走るがもう景色は拝めない。自然とまぶたが重くなる。

夢見心地で夜を駆ける

 目覚めると明るいところを走っていた。トンネルだ。

 しばらく走ると真っ暗闇に放り込まれ、その中を「能生」の文字が流れ去っていく。能生ということはもう新潟県日本海側に出ているのだ。夜なので山の中だろうが海沿いだろうが、暗くてみな一緒だ。
 人家も少ないので集落らしき灯も心もとない。トンネルだけが明るい。

 ほどなく親不知インターを通過。この辺りは半分ぐらい海の上を走っているが、実感が湧こうはずもない。この辺りは新潟県の西端部。

 

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 18時40分、最後の休憩地となる有磯海SAへ。

 有磯海とは大伴家持の歌に由来する歌枕で、富山湾を指しているとされる。ここはもう富山平野である。明るければ立山連峰も拝めただろう。

 

そして金沢

 19時40分ごろ、金沢へ。バスはおよそ50分遅れで到着。思っていたほど伸びはしなかった。

 この旅では二度目となる金沢だ。四日ぶり、元気してた?

 

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 ほぼ満月。

 

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 今日の宿はアパホテル金沢駅前。写真の右側に見えているのがそれ。

 

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 徒歩5分もかからないこの立地でいくらしたと思います?

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 なんと素泊まり5500円。連休明けの平日とはいえ立地を考えると安すぎません? 訳ありプランとかじゃないんですよ? お得に泊まらせてもらいます。しかし土曜2万7000円との値段の開きがえぐいな。5倍て。

 泊まりの旅は平日に限る。

 

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 一人の素泊まりなのにベッドが二つもある。

 

夜の金沢で見るものは

 荷物を下ろして夜の金沢へ繰り出す。と言っても別に観光や食事ではない。夜の金沢駅や鼓門、新幹線が走っていない案内などを見るためだ。

 

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 運休案内。

 

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 臨時列車の案内。臨時「はくたか」は時刻そのものは通常ダイヤのものを使用し、号数に +100 で区間運転に対応しているようだ。

 

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 通常ダイヤでは走らない糸魚川行きの北陸新幹線はくたか」。

 

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 大阪行きの最終サンダーバード。あれに乗れば今日中に関西へ帰れるというのも不思議な感じがする。

 

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 先日は新幹線の到着案内を見たが、在来線の特急列車到着時刻表もあった。地方の主要駅という感じがする。新聞社などが発行する主要駅が書かれた時刻表と並ぶ地方のマストアイテムだと思っている。

 

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 夜のおもてなしドーム

 

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 夜の鼓門。浮かび上がる感じで控えめにライトアップされていて好もしい。

 

 

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 鼓門と月。良き。

 

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 鼓門のミニチュアがあった。ほんとかっこいいよなあ。

 

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 地下街の滝。光の加減で金色に見える。

 

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 21時ごろの発車標。

 一番下の「おやすみエクスプレス」は平日だけ走る通勤客をターゲットとする特急。朝には対になる「おはようエクスプレス」が走る。一番上の「ダイナスター」は新幹線と接続して「しらさぎ」が走らない時間帯の福井~金沢を補完する。なんだか物珍しい愛称は勝山の恐竜と、新幹線への期待を込める星を掛け合わせたもの。ダイナソー+スターでダイナスターだが、JRの特急でもトップクラスに知名度がない愛称だと思われる。おそらく北陸新幹線敦賀開業に伴いひっそりと姿を消すだろう。

 

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 宿に戻る。部屋が駅側だったので窓からはホームが見える。

 

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 大浴場に入る。日帰り入浴もやっているらしい。
 露天風呂の名前は「月の空 星の空」。今日はその名に恥じぬ月の出る晩だ。水面の月と天の月を肴にとっぷりと浸かった。

 
 最終日となる明日も始発で出るので、窓越しに金沢に最後に到着する特急を迎えて寝た。ベッドで寝るのって何年ぶりだろう。家は布団で外泊も布団だからなあ。

 

*1:バスタ新宿へはこの年の3月、前回のテキレボに伴う上京時に足を運んで見学している。

*2:僕がカートを持ちたくない理由の一つだ。混雑するバスや電車内では場所を取りすぎるし、膝の上には置けない。網棚に上げるのも苦労する。

*3:無論、平常時に比べれば本数は少ない。

*4:15日当時。中央線は10月18日に仮復旧がなされ、10月28日の完全復旧により通常通りの運行に戻っている。特急も完全復旧により運転再開。

*5:サザンテラス口甲州街道改札に変わったのね

*6:ちなみに2位は栃木、3位は茨城と北関東が約95%を占める