「いのちの木」
大阪は梅田地下街の東の領域「ホワイティうめだ」、そのどん詰まりに「泉の広場」という領域がある。かつてはその名の通り噴水がある広場で、梅田の知ってる人は知っている待ち合わせ場所としてビッグマンとともに機能していた。過去形なのは噴水が老朽化のため撤去されたからだ。同時に前後の地下街も改装され、2019年12月5日、つまり10日前に新装なった。
新装後も「泉の広場」の名はそのまま残り、噴水があった場所には樹木に見立てたオブジェ「Water Tree」が設置された。
のだが本題はそっちではなく、その泉の広場からさらに北へ伸びる通り。新装後は「NOMOKA」(由来は関西弁で「飲もか?」から)と名付けられたちょい飲みができる区画の行き詰まり、正真正銘の梅田地下街の東の果てに「それ」はある。
噴水跡にある輝いた樹木とはまったく印象が異なる、継ぎはぎされた機械的な外観の樹木のオブジェ。
「いのちの木」
新装前の地下街と大阪メトロの廃材利用品で作られた作品だという。
大阪メトロの廃材というのは要するに地下鉄の古い車両を解体した際の部品だ。そのため樹木のあちこちにはアルミ板(アルミ合金製車両なので)や計器、銘板が用いられ、結果的には見る人が見ればスチームパンクっぽい感じの仕上がりになっている。というか僕はそう感じた。
このフクロウには特にそういうスチームパンク的な趣がある。
市交通局から大阪メトロにも引き継がれた社章もばっちり使われている。個人的にはコマルマークがあると嬉しかったが……。
(おそらく)ヘッドライトや路線図、各床下機器の箱、車体の外装なども取り込まれている。
カメレオン。
コウモリ。