雑考閑記

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雑な考えを閑な時に記す

『第七回文学フリマ大阪』余滴

 2019年9月8日(日)開催の『第七回文学フリマ大阪』に売り子として参加。例によって、個人色の強い部分を雑に記していく。

 相変わらず余滴の方が大きい。

 サークル名義でのレポートは以下を参照。

steamengine1901.blog.fc2.com

 

 個人のレポートなので一日にあったこと時系列順にすべてごちゃまぜ。

 

 

 暑っ! 8月に戻ったかのような暑さ。

 

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 そんな中で6時半の相川駅から始まる。阪急京都線の駅だ。

 先週の『HUB a NICE D!#4』参加前に行ったフラップ式の追加調査とともに、この駅始発の列車を確認する。隣の正雀車庫からの列車が一駅だけ回送されてきて、相川仕立てとなって梅田、天下茶屋方面へ向かう列車だ。阪急電車には車庫の隣駅始発*1 という列車が少数あって、他に武庫之荘駅(西宮車庫から一駅回送)、洛西口駅(桂車庫から一駅回送)が存在しているのを最近知った。

 

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 連続立体化事業が続く淡路駅京急の蒲田や京成の青砥のような二層式になると伝えたら首都圏の方にも理解してもらえた。

 

 さておきここまでは前哨戦にすぎない。

 

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 僕の文学フリマ大阪は7時前の天六から始まる。

 天六天神橋筋六丁目の略。天神橋筋商店街の北端だ。

 ここより南の天神橋筋商店街は日本一長い商店街と言われている。実態は天神橋筋六丁目天六)から一丁目(天一)までの、連続する六つの商店街の総称といった方が近いが、それでも各商店街が途切れず連なっているのは確かだ。この六丁は地下鉄の駅でだいたい二駅半、約2.5kmで、横断する大きな道路との交差点部分を除いてアーケードが延々と続いている。

 個人的な感覚で言うと天神橋筋商店街は北側の天満駅天六あたりが最も栄えているように思う。ここらは大阪から一駅、東梅田から二駅なのに、郊外の活気ある商店街感がある。

 

 とはいえこんな時間では多くの店が閉まっており閑散としている。開いているのはパン屋や喫茶店、コンビニか24時間営業の居酒屋ぐらいである。

 アーケードなので店が左右に迫っている区間は蒸し暑い。直射日光よりはましだが、風も吹きこまずむわっとしている。

 

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 がらがらの天六を歩いてすぐ天五に到達。距離は2.5kmほどであるが、一丁あたりの平均は420mほど。おまけに人もほとんどいないのであっという間。

 天五の途中からは天五中崎通り商店街が分岐、中崎町駅(東梅田駅天神橋筋六丁目駅の間、梅田まで徒歩圏内)に通じている。

 

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 ほどなく天満駅に到達。

 

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 環状線のガードをくぐると天四になる。テン四なので四つ星のてんとう虫。

 

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天四に入って少し歩くと、朝から訪れた目的の店が見えてくる。

 

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 セイロンティー&ブレッド。7時から開いている紅茶とパンの店。

 

CEYLON Tea & Bread セイロン ティー&ブレッド 大阪天神橋 パンと紅茶の専門店

セイロン ティー&ブレッド (CEYLON Tea&Bread) - 扇町/パン [食べログ]

 

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 ここの目玉はなんといっても290円(税別)で飲み放題の紅茶。そして「てんしの紅茶あんパン」。「てんし」なのは天四(てん、し)だから。さらに19時からの「セイロンセット」は880円(税別)で店内のパンの大半が食べ放題。もちろん紅茶も飲み放題。

 

 店内はよくあるパン屋の形式で、トレイにトングでパンをつかんで清算するもの。その奥に飲食スペース、さらに奥にパン工房があってフル稼働していた。開店直後なのでパンの種類は少ないが、それでも十分な量がある。人気商品の「紅茶あんパン」は9時ごろから並びはじめる。

 

 先にカウンターでフリー紅茶を頼む。最初の一杯は店員さんが用意してくれるので、まずはウバを選択。セイロンティーの店なので茶葉はすべてスリランカの銘柄*2

 

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 紅茶はティープレスで出される。3分の砂時計もセット。(写真は二杯目以降のもの。)僕は紅茶派だが特にこだわりはないので、砂時計に従ってカップに注いでからパンを買いに。

 

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 最初の選択はバターロール、クロワッサン、ダークチェリーデニッシュ。いずれもパン屋でよく見かける品。朝食としては無難な取り合わせ。バターロールとクロワッサンはどの店のものでもよい*3 ので毎日焼きたてを食べたい。

 

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 今日のフリー紅茶の品揃え。五大産地のうちヌワラ・エリヤがない。奥の列はフレーバーティー。ちなみにティープレスはこの上の棚に置いてあって、使ったものは一杯ごとに返却カウンターに置いていく。

 二杯目はキャンディーを選択。ただかなり汗をかいているので、隣にあったアイスセイロンを入れて先に飲む。
「紅茶あんパン」が店先に並ぶまでの約1時間40分に飲んだ紅茶はブラックカラント、コーヒー、アールグレイ、ルフナ、ティンブラ、ルフナ、ルフナの計9杯。

 コーヒーの風味とルフナが良かった。特にルフナは何も入れないと濃くてちょっと渋いんだけど、ミルク(といってもこの店はコーヒーフレッシュ)を入れたらとってもまろやかな口当たりになって美味しい。スティック砂糖を1杯あたり4本、コーヒーフレッシュは三つ入れてチャイっぽくするのが気に入った。

 

 お代わり自由とはいえ無料で飲みすぎなので追加でりんごパイとバターロールを二つ食べる。スコーンは置いてなかった。残念。
 店員さんと顔見知りのお客さんがちょくちょく来てはモーニングを食べてすぐ出ていく。地元感あっていいなぁ。

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 そして「紅茶あんパン」。この日は8時50分ごろから買えた。

 

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 開くとこうなっており、生クリームとあん、茶葉が詰まっている。

 

 9時。サークル入場開始1時間前。

 飲みすぎたのでしっかりお手洗いを済ませて店を出る。

 

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 すぐに天三。

 

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 国道一号線を渡って天二。

 

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 少しそれて大阪天満宮へ。
 夏が戻ってきたような日差しが厳しい。この辺りから小用を催す。ほんの10分前に行ったばかりだぞ? 明らかに飲みすぎである。

 

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 アーケードに戻って天一のアーケード南端へ。

 

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 日本一長い商店街のアピールはここで初めて現れる。ちなみに商店街は天神橋筋商店街で、それがある現在の町名は天神橋である。だからここは天神橋1丁目。町名の天神橋は商店街を含む南北の長いエリアである。ちなみに商店街が元々の天神橋筋。現在の天神橋筋は一つ西隣の大きな通り。

天神橋 (大阪市) - Wikipedia

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 商店街の筋を南へ歩くとすぐに天神橋に到達。この天神橋の東隣の橋が天満橋で、目と鼻の先にある。すなわち天神橋から会場があるOMMビルへも、歩いて10分もかからない至近だ。天神橋がある筋の商店街なので天神橋筋商店街

 

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 ここは中之島の先端部分にあたる。

 

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 雲は秋の様相を呈しているが日差しは真夏のそれ。今日は白露であるのに。

 中之島の先端部分の芝生では、おじさんたちがレジャーシートを敷いてパンツ一丁で寝っ転がって身体を焼いている。さすがに写真は撮っていないが、大阪でたまに見かける僕の好きな光景のひとつである。僕が知る範囲ので東京では見かけたことがないので、大阪に特有のものなのかもしれない。

 

 天神橋からは大川に沿って天満橋方面へ。八軒屋浜のあたりは近年に整備されて川沿いを歩けるようになった。川の駅「はちけんや」のお手洗いに飛び込んですっきり。先に書いておくと頻繁な催しはこのあと14時過ぎまで続いた。
 川の駅では今日は特に催し(イベントの方ね!)もなく、閑散としていた。

 

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 外に出ると川の上でなにやら楽しそうなことをしている。

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 こっちには七人も。

 

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 一人用のものも合流して川を下って行った。

 

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 ラグビーワールドカップの浮き船。

 

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 水上を行くのは船ではなく水陸両用バス。

www.japan-ducktour.com

 大阪は水都などといっているが、それらしさが残っているのはこの大川の辺りと道頓堀、安治川河口、木津川運河の方ばかりである。

 

 10時ちょっとすぎに会場へ。イベント部分は蒸奇都市倶楽部のレポートに譲る。

蒸奇都市倶楽部 電子広報 『第七回文学フリマ大阪』(レポート)

 

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 文学フリマ大阪以降の、各地の文学フリマのポスターが並んでいた。この日に日程が発表となった文学フリマも多かった。


 さて、今回は数年ぶりに「シアワセモノマニア」の青波零也さんと、「七月の樹懶」のたつみ暁さんとの合体配置であった。こちらの申し出をご快諾くださったお二人には重ねて感謝を申し上げます。

 

 文学フリマを早めに撤収。谷町線天満橋駅より、僕は今日二度目の天六へ。関東より遠征されて来られたお二人をたこ焼き屋にご案内する。

 

 一件目はわなかの天六店。

takoyaki-wanaka.com

 僕は複数展開するたこ焼き屋の中ではわなかがかなり好き。

 奇をてらわないたこ焼きなので最初に食べていただくのはこれがいいかなと。天六という程よい郊外感のある立地もよくて、すぐに座って食べられる*4 。座って食べられる=店先に簡易なブースを設置というよくある形式で、打ち上げというよりは本当にたこ焼き食べに、という感じである。
 これもある種の狙いというか、たこ焼きという性質上、じっくり腰を据えて食べるよりかは、こういった店先で食べる雰囲気も込みで「大阪でたこ焼き食べた」感を味わってもらえるかなという目論見、というか下心。
 むろんお二人がキャリー等を引いていればゆっくり座れる店に切り替えていたが、当日のお荷物の具合から大丈夫かなと判断させてもらった。
 紙コップの水で乾杯、文フリ大阪直前に感想で殴りつけたことをお詫びしつつ、あれこれ話させてもらった。

ks2384ai.hatenablog.jp

ks2384ai.hatenablog.jp

 

 二件目は天六のアーケード終わりの交差点(10時間前に写真撮った場所)の傍にある風風の天六店。京阪神の浜側でよく見かける店。

www.fufu22.co.jp

 ここを選んだのは一件目のすぐ至近にあるというのが大きい。ブースもあるが吹きさらしであるので、持ち帰ってもらうのがベストかなと思いお勧めした。たこ焼きの持ち帰りというのも大阪感があるのではないかと。

 店に訪れたのはちょうど鉄板上の商品が切れた直後であった。というわけで、巨大なポリゴミ箱から大きな柄杓で生地をすくって鉄板上に広げられ、具を入れてひっくり返していくというう、図らずもたこ焼きが焼かれていく様を三人で見ていくことに。その間にも後から来たお客さんが並んで焼き上がりを順番に待つ。こうした展開を狙ったわけではないが、店先で買うたこ焼き屋のアトラクションっぽさは増したかなと思いたい。


 天六からは阪急で淡路へ、そこから今年の春に開業したおおさか東線で新大阪へ出てお二人を見送った。また機会があれば別の店へもご案内したいと思う。


 単独に戻って行動。

 せっかく新大阪に出たのだからと駅弁を買う。

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 折しも新大阪駅は大混乱。東海道新幹線はとっくに東京行の最終が出た後。

 

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 新大阪~名古屋間のみで、ほぼ「こだま」だけの運転となっており、改札内外のあちこちに長者の列。すべて名古屋で打ち切りとはなっているが、こだまと一本だけあるひかりの発車時刻はすべて所定(通常ダイヤ時)のもの。そのため18時50分のあとは1時間も間隔が開いている。臨時列車(いわゆる特発)は運転されていないようだ。

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 二本だけ運行される名古屋行きの「のぞみ」は所定のもの(=元々が最終とそのひとつ前の名古屋行きで、臨時や打ち切りではない)。

 

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 山陽新幹線はおそらく通常通り。

 

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 デジタルサイネージの台風情報。見事に首都圏をえぐっている。


 構内はどうなっているのだろうという好奇心が抑えきれず入場券で中に入る。

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 日中以降は新大阪始発の「こだま」「ひかり」専用ホームの趣がある27番線。普段は閑散としているが、この日は上り唯一の発車ホームとあってはかなり混雑していた。

 

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 普通車の車内やデッキはおろか、グリーン車の客室内にも立ち客が。グリーン車なので「空いているから座って」というわけにはいかず、座席の前でも立っていらっしゃる。

 

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 23~26番線はすべての表示が新大阪止めや回送で埋まっており、降車専用ホームみたいに。発車ホームとして機能していたのは下り方面の20~23番線と、上り「こだま」の27番線のみ。

 

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こんな時になんだけど、がら空きのホームで駅弁を食べます。

 

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 きっぷはサイズ比較。カツが大きい。

 

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 列車がいない24~27番線。新大阪止めから降りたお客さんに「このホームからの京都名古屋方面の発車はありません」とのアナウンス。27番線の「こだま」が案内される。

 

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 一本のみの「ひかり」686号。発時刻は所定の「ひかり」536号と同じ。ただし536号は岐阜羽島を通過するところ、686号は各駅停車とし、実質「こだま」状態で運転。指定席のある「こだま」に対してグリーン車以外はすべて自由席になっており、駅に掲示された運番も9000台となっている。新大阪発時刻は変わらないが、扱い的には臨時のようである。

 

 新大阪を出ても終電までまだ余裕がある。いったん南方へ徒歩で出て十八番へ。新大阪に近いここも候補のひとつであった。

 

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 見ての通りいぼ(言い方悪いな)のように浮き出るほどの多量の天かすを使ったお店。


 ここから大阪へまっすぐ出るのもなんだか物足りないので宮原操車場を超えて、下町となる三国の方へ歩く。新大阪周辺の高層ビルがやがて尽きて集合住宅や小さな民家、雑多な商店などになっていく。

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 ファミリーマート×イズミヤイズミヤは関西を地盤とするスーパー。こんなのあるんだ初めて知った。

 

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 スーパーナショナル。帰ってから調べると、大阪市内だけに店舗展開しているスーパーのようだ。店の名前を見た瞬間、頭の中に「♪あかる~いナショナ~ル」の歌が流れた。おっさんかよおっさんじゃん。

 

 すごい汗をかいた。

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 というわけで、お二人にいただいた宇治園は星果庵のコンフェイト(金平糖)を開ける。塩味なので塩タブレット代わりにとてもよい塩梅でした。

 

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 いわゆる戦利品。新刊の印刷費でかなり身を削ったので控えめ。左下は商業本。

dengekibunko.jp

kakuyomu.jp

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 僕はみいはあなので著者の白雨さんにサインをいただいて握手させていただきました。

 

 以上、とりとめもない一日終わり。

 

 

 

*1:「車庫隣接駅」ではない。

*2:旧五大産地。いまはふたつ増えて七大産地となっている。

*3:僕の「不味い」の閾は低い。

*4:千日前の本店が混みすぎなのである。