雑考閑記

雑考閑記

雑な考えを閑な時に記す

有言実行(感染対策スペースの予行演習)

 即売会で売り子をするにあたっての新型コロナ感染対策のお話の続き。

 お題目や心がけは前の記事で述べたので、実際にそれを形にする。

仕切り(パーティション)や本を封入する袋など、想定される必要な道具を整え、会議室(というか長机)を借りて設営の予行演習を行う。 この予行演習はすでに実施済みで、その様子は別途でお伝えする。感染防止に取り組んでいるという姿勢はしっかり目に見える形で公表しておきたいからだ。

追思と心掛け - 雑考閑記

ks2384ai.hatenablog.jp

 

 この記事では実際に設営の予行に取り組んでの所感を述べていく。今回は蒸奇都市倶楽部の感染対策としての予行であったが、いずれのイベントでも僕が赴くのであればサークルを問わずに実施できる取り組みでもある。

 蒸奇都市倶楽部の報告はサークルのブログを読んだほうが早いです。

steamengine1901.blog.fc2.com

 

  以下、僕の所感は例によって細大漏らさず書いていくので長くなります。

 あとはお小遣い稼ぎも兼ねて、実際に購入した商品のアマゾンのアフェリエイトもちょくちょく貼っておく。商品のレビュー的なところもあるので。*1

 

 

 

 

 

演習とは遠出なり

 設営演習は冬晴れのある日にバスと電車を乗り継ぎ、とある町の公共施設の小会議室を借りて行った。設営の予行そのものはすぐ近くにある公民館でも行えるのだが、それでは「設営」しか予行できない。しかし即売会というのは足元ではなく大きな街で行われるのが常である。その即売会での設営演習とするからには、実際に設営に必要な荷を背負って電車やバスなどの公共交通機関を利用しなければ意味がないと考えたのである。

演習場へ

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 設営に必要な荷物はこちら。サイズは後方の長机や椅子と比較してほしい。

 

 まず大きな鞄(右)。

 本が詰まっているので見た目のわりに重い。以前空港での利用を検討した際に計った時は8kgほどであった。それから中身はほとんど入れ替えていないので今も同じぐらいだろう。これを駅伝のたすき状にして提げる。肩が痛くなる。

 

 続いて小さな鞄(左)。

 これには今回の目玉である組み立て式の小さな仕切り(突き出しているやつ)と一部の本を入れている。軽いが肩にかけるしかできないのでときどきずり落ちる。

 

 そして背後の段ボールに包まれた画布のようなもの。

 組み立て式の大きな仕切りだ。今回のもうひとつの目玉。

 

 これら総重量およそ9kgを背負いバスに乗って駅まで行き、さらに電車に乗ってから公共施設の最寄りへ、そこから徒歩10分ちょっと。これだけでさっそく問題点が見えてきた。

 

 荷物が重いのはわかっていたことだ。というかいつもの売り子道具にそう重くない仕切りが増えただけで、そこはあまり苦労していない。そうした中で最も苦労させられたのはやはり大きな仕切り。

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表面積が大きいので持つのに苦労する(900mm×600mmであるから画布でいうとM30号ぐらい)。

 

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 もっともそれを見越してこのように100均のロープとハンガーを駆使してあらかじめ持ち手を作っている。抜かりはない。*2

 

 はずであるが、理想と現実は往々にしてずれるもの。

 

 これ、持つ分には持ち手が小さい以外には苦労しないのだが、表面積が大きいせいでともかく風の煽りを受けてしまう。幸いこの日は冬晴れで風もほとんど吹いていなかったのであるが、それでもときどき吹く風に提げ持った仕切りが揺れてしまうほどだ。ロープがほどける恐れは(この記事を書いている現在でも)ないものの、強風の日や自動車自転車や小さな子供が通るような狭い道を歩くには特に注意をしなければならない。そこが不安である。

 それに雨が降っていたらまず持ち歩けない。

 この大きさであるから傘に入りきらないのだ。このサイズを丸ごと包めるビニル袋を用意し、そのうえで風雨に飛ばされないようさらに対策をしなければならない。そして最大の懸念はこの仕切りそのものが段ボール製である点。濡れたらもう使い物にはならないだろう。

 よって風の強い日は持ち運びの難易度が跳ね上がる。

 雨でも降ろうものならお手上げ。

 

 こうなると、いっそM30号のキャンバスバッグを購入してしまうのも手かもしれない。すっぽり入って丈夫な持ち手がついているのであればもうハンガーの持ち方に苦慮しなくてもいい。

 

演習

荷物の展開

f:id:KS-2384ai:20210111010649j:plain←これをすべて展開するとこう↓

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 個別に見ていく。

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 右上から時計回りに、お道具箱、除菌ウェットティッシュ、消毒スプレー、A5とA6(文庫)のブックカバー、A4のOPP袋、そしてポリエチレン手袋、その上は小さい仕切り。

 お道具箱などは今回の予行では使わないが、実際に会場に持ち込むものとして荷物に含めている。

 ブックカバーは見本誌用、OPP袋は商品の包装用だ。OPP袋はA5サイズを買ったつもりが誤ってA4を注文してしまったようだ。しかし大は小を兼ねる、蒸奇都市倶楽部の本は背幅が分厚いものもあるので小さくて入らなかったり、ぎりぎりの大きさで無理に詰めこんでしまうよりはいいだろう。

 

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 ちなみにお道具箱のS字フックはこのようにして袋を吊り下げる。テープや紙の切れ端や、お菓子の袋など細々したごみが出るのでごみ袋に。隣のサークルさんにも「どうぞ」と一声かければ会話の糸口になる。なった。

 

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 こちらは本。下側は小さな鞄に分乗していたA5サイズの冊子たち。上側は大きな鞄の重量の大半をエブリスタの不織布。かつて文フリで配られていたもので本を入れるのに便利な袋だ。

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 こんなふうに文庫本が縦に二列入る大きさだ。ゆえに厚さ3cmや2cmの本が中にぎっしり詰まっている。だから重い。見本誌と会場で実際に売れる品数の配分を考えるとこれが適量。増やせはしないが減らせもしないぐらいの量。

いよいよ設営

 前置きが長くなったので組み立てていく。

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 改めて導入を見込んでいる仕切り二種。左が小さいの、右が大きいの。

 どちらも段ボール製だ。なのでそこまで重くはない。ただ、右の持ち運びに苦労したのは前述した通り。

 

組み立て:小さい仕切り

PEACEUP 飛沫感染防止ついたて くるくるシールド (単品)

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 梱包材から取り出す。どう見ても段ボール。

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 さらに取り出す。

 二つの筒状の部品と平たい部品が収まっている。部品はこの三つだけ

 では組み立てていこう。

 

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 二つの筒状の部品は透明フィルムでつながれている。飛沫防止の核心部分だ。この部品を差し込む場所はここ↓

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 そう、梱包材で包まれ、部品が入っていた外箱である。

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 筒部品の透明フィルムが短い方を足にして外箱の穴にそれぞれ差し込む。

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 平たい部品はこうして筒を上で固定するひさしになる。対角線を上手いこと利用して差し込む。

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 こうなって、

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 こんな感じ。

 組み立てやすくてよいのではないだろうか。梱包材から取り出してから組み立て後の写真撮影まではおよそ8分。実際には5分見込んでおけば十分だろう。

 

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 大雑把な設営イメージ。

 詳細なイメージの把握はもう一つを組み立ててから行う。この段階でわかることとしては、商品の受け渡しは横に迂回しなければならないという点。

 

組み立て:大きい仕切り

横井パッケージ 飛沫防止パーティション【窓口用】 1セット

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 取り出す。

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 さらに取り出す。こちらも部品は三つ。足となる部品と核心部の透明フィルム部からなる。足は片方が段ボール面そのままだが、透明フィルム部分は裏表ともに張り合わせで段ボール地は見えない。

 その実際の大きさは右写真の通り。右端は長机の縁にあわせてある。

 では組み立てていこう。

 

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 足となる部品には折り目がついているのであらかじめ内側に織り込んでおく。

 

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 続いて折り目にそって曲げていく。ガムテープをまっすぐ貼れないぐらい不器用な僕でもできる簡単な工作。

 と思っていたのだが……。

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 あ、あ、折りが弱くて差し込み部が口裂けになってしまった……。紙製品ならではの弱さだが簡易性と軽さ、安さを取ったがゆえこうなるのはやむを得ない。

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 片方を完成させ、もう一つの足も作る。二回目なので要領を得ている。今度は口裂けにならず組み立てられた
 完成した足は見ての通り段ボール面が内側に来るようになっているので、見た目は白くなる。 

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 足の切れ込みに透明フィルム部を差し込む。

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 大きい仕切りも完成。

 少し失敗はあったが難しい作業ではなかった。包装を解いてから組み立て後の写真撮影まではおよそ12分ちょっと。段ボールを折るのに時間を要したが、いちど折り癖をつけているので次からは10分程度と見込んでよいだろう。

 

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 こちらの仕切りは見ての通り下に隙間がある。この隙間を介せば本や代金のやり取りが可能となる点がよい。その高さは右画像の通り。5cmの帯とだいたい同じぐらいカルトンが十分に通る高さだ。

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 足にはもう一つ切れ込みがある。こちらに透明フィルム部を差し込むと……、

 

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 さらに隙間が広くなった文庫本が立ったまま通れるので約15cmだ。これぐらいあれば受け渡しに苦労することはないだろう。

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 15cmの文庫+αの余裕。

 

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 大雑把な設営イメージ。

 

大小の仕切りの比較、そこから見えてくるもの

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 長机に並べるとこの通り。

 ちなみに文学フリマの出展要項には『長机半分(幅90cm×奥行45cm×高さ70cm)』とあるので、そこからそれぞれの仕切りの寸法を見ていく。

 

 小さい仕切りのほうは横幅60㎝。

 これなら隣にはみ出る恐れはない。かつこれぐらいの幅であれば、腕を横に回して商品や金銭をやり取りしてもお隣の迷惑にはならないぐらいの余裕もあるのではないかと思われ、下に隙間がないというデメリットもほぼ相殺できるか?

 

 大きい仕切りの横幅は90cm。

 ぴったりだ。足はその内側に収まるので、ずれたりしなければ隣の迷惑にはならないかな……、と思う。ただこればかりは単独の机上演習では図れないので難しいところではある。機があればどこかのサークルと合同で行いたいところだが、この状況ではそれも厳しいか。何とか方法を探っていく。

 下に隙間があるので正面でやり取りできるのが強い。

 

 ただどちらも展開すると面積が広く、かつ透明フィルムがほぼ全面に張られており、さらに段ボール製であるため軽いので、やはり風が弱点となるだろう。つまりコロナ対策の一環で換気を目的に会場の扉や窓を全開にした場合、そこから強い風が吹き込んでくると倒れたりずれたりで近隣サークルの迷惑になる可能性があるのだ。軽量性を重視した結果としての弱点である。対策としては重しをする、足と机をテープやビニル紐で固定してあげるなどの方法が考えられる。

 

 比較を続けていく。

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 足の部分を合わせた仕切りの大小比較。

 大きい方はフィルム部の辺が机をはみ出さないようにしてある。

 

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 こちらは机の縁に合わせた場合の比較。大きい方は上の比較から動かしていない(小さい方を机の縁にずらしただけ)。要するにこの大きい仕切りのはみだし分(数値でいうと約30㎝分)が小さい仕切りを用いた場合の金銭や商品をやり取りできる横の隙間となる。

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 お次は横からの比較。

 左画像は仕切りを机の最前部(画面右、来場者側)にそろえたもの。大きい仕切りは足が前に突き出しているので透明フィルム部がやや後ろ(画面左、サークル側)に下がる。その分だけ本を置けるよりが生じるが、猫の額ほどの狭さしかない。小さい仕切りにいたっては構造上、前に見本誌を置く空間がない。

 右画像は大小の仕切りを机の中心に合わせたもの。現実的にはだいたいこの辺りから後ろ側に設置しての使用となるだろう。どこまで下げるかは机上に置く見本誌の数次第かな。

最終形を詰めていく

 いよいよ大詰め。

 組み立てた仕切りと持ち込んだ本を使い設営の最終形、つまり会場での展開イメージをかためていく。簡易的に本を並べて大雑把にはつかめているが、改めて詰めていく感じだ。といってもここまでの組み立てで大まかな形や仕切りそれぞれの長所短所はつかめているので、おさらいに近い形となる。

 

 ちなみに設営形態にあたっての蒸奇都市倶楽部との取り決めは以下に抜粋して引用する通り。(引用元はこの記事の冒頭に掲げた蒸奇都市倶楽部のブログの当該記事より。)

設営関連
○会場で組み立て可能な簡易な仕切りの導入

冊子関連
○見本誌は机上に各一部とし、実際の商品は置かない
○見本誌はいずれもブックカバーに入れ、適宜に除菌ウェットティッシュでぬぐう

サークルスペースご来訪者さま関連
○使い捨てビニル手袋(またはゴム手袋)
○除菌ウエットティッシュ
○机に布をかけない

 サークルの取り決めからは漏れているが、お金の受け渡しはカルトンを使う予定だ。本はあらかじめOPP袋に個別包装。

小さい仕切りの設営イメージ

PEACEUP 飛沫感染防止ついたて くるくるシールド (単品)

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 正面と斜めから。

 横幅に30cmの余裕があるので仕切りの鉛直線からはみ出ても問題はない感じに。*3

 椅子に座り、透明フィルムを介して来場者とやり取りする際の目線なども意識してみる。*4

 枠が小さいのもあって、座った状態でスペースに来た人の顔を見上げると透明フィルムの上辺、ひさしが相手の顔にかかってしまい視線の妨げになりそうだ。立って対応では本末転倒。もう少しサークル側に下げて視界を確保したほうがいいかもしれない。ただそうすると売り子の方で細々した事務作業の空間がなくなってしまう。

 カルトンは最前部に設置、横から渡してもらう感じになるかな。

 写真では消毒スプレーの奥に手袋が来てしまっているが、これは並びが逆(この並びでは手袋を取るのに消毒スプレーのボトルが邪魔)。

 

 またこれは後日に思いついたのであるが、ブックスタンドと小さなひな壇を導入して見本誌を段差上に立ててみてもよいかもしれない。

 これまでは正面で物の受け渡しをしており、高い位置に本があると腕を引っかけて倒してしまう恐れがあった。この仕切りを使用して受け渡しする場合は横を使わざるをえないものの、正面を高くしても本を倒す恐れがなくなった。そのためこの仕切りに限っては段差を設けて見本誌の区画を稼げるのではないかと考えたのである。そうして捻出した部分にカルトンや消毒関係を置けば、現状よりすっきりするのではないだろうか。

大きい仕切りの設営イメージ

横井パッケージ 飛沫防止パーティション【窓口用】 1セット

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 正面と斜めから。

 隙間のおかげで余裕が感じられるものの、足の出っ張りで面積はちょっと狭い印象を受ける。左右いっぱいで長机の半分なのではみ出してはならない。写真だと消毒液が怪しい位置にいる。*5

 椅子に座ってみる。高さも結構あるので枠が目線を遮ることはなさそうだ。

 カルトンは隙間の直下に置く。換金所のイメージ。

 

 本の置き方はもう少し検討する必要がある。

 この仕切りの要は下の隙間だ。ここを通してお金や本を受け渡しする。その際にはなるべく机の表面に置いて滑らせるようにして渡したい。というのも、隙間と机の表面との中空を通すと、透明フィルム部の下辺に腕をひっかけて仕切りをずらしてしまう恐れがあると感じたのだ。この仕切りは長机の半分ぴったりの大きさなので、そうやってずれて隣のサークルエリアを侵犯するような可能性は避けたい。

 机の表面に物を置いて通す道を正面に開けたほうがよいだろう。写真で言うと『蒸奇画報』(左から二冊目の本)の幅ぐらいは確保したい。そのためにはやはり本を立てて空間を捻出しなければならない。

 いまのところブックエンドを導入し、本を立てつつも少し引き出す感じで段々で斜めに置くようなイメージで考えている。

 

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 具体的にはこんな感じ。実際にはもう少し本を引き出し、もっと表紙を視認できるような感じにしたい。ブックエンドは足が長い安定性のあるものを導入すればひっかけて倒す恐れは減らせるだろうか。

 

 それぞれの仕切りを用いた設営イメージをとらえて見えてきた課題は後でもう一度まとめる。

 

撤収演習

 撮影や問題点の洗い出しをしているうちに刻限が迫ってきた。

 ここからは撤収の演習となる。

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 小さい仕切りから。

 ひさしを外す。続いて透明フィルム部を土台から抜いてポスターの要領で巻いていく。そうして土台の穴を先に塞ぎ、ふたを開けてひさしと透明フィルム部を収納。ものの5分もかからなかった。楽なものだ。

 

 続いて大きい仕切り。

 透明フィルム部を外して足を平たい状態に戻す。

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 平たくなった足は透明フィルム部において、これらを梱包用の大きな段ボール紙で挟みこんでいく。が、ここで少し懸念が生じる。

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 平たくなった足には折り目の癖が残ってしまっているのだが、その状態で収納しようとすると折り目の名残りが透明フィルムに干渉してしまうのである(写真)。どちらの面を透明フィルムに向けても同じだ。力をかけてなるべく平たくするがそれでも折り癖が透明フィルムが少し「張る」感じになってしまう。

 すぐに傷ついたり破れるほどやわなフィルムではないが、撤収時などはだいたい慌てて作業するもので、そうした場合ひょっとするとフィルムが傷ついたり破れてしまうかもしれない。この点はよく留意しておかなければならないだろう。

 

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 各部位をそっと保護紙で包みこみ、元の段ボールに差し込んでいく。ここまででおおそ15分。フィルムの懸念に気付いてあれこれ試行錯誤したのも含む計測だが、フィルム面を傷つけないよう慎重に作業することを想定するとこれぐらいの時間は見込んでいた方がいいかもしれない。

 

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 小さい仕切りを分解しはじめてからここまでは概ね30分ちょっと。

 ただしこれは会議室を貸し切って十分な作業空間を確保した上での時間だ。*6

 しかし会場での撤収となるとこんなに十分な空間はなかなか使えない。他のサークルも同じように作業に取り掛かられるので隣のスペースにものを置けないし、行き交う人にものをぶつけないよう注意もしなければならない。自スペースの撤収だけに限定しても、長机の下に押し込んでいた鞄を取り出し、散っていた本を整理して入れ直し、配られたチラシやその他の小物もしまい込まなければならない。

 加えて仕切りはどちらも段ボール製だ。雑にしまい込むと損傷するおそれがあるので慎重に作業しなければならない。そんなにお高い仕切りではないものの、だからといって乱雑に扱って一回二回の使用で潰してまた気軽に買い直せばいいというわけでもない。可能ならなるべく長く使いたいものだ。

 そういった点を考慮すると撤収の見込み時間は短くても45分、長くて60分は見た方がいいだろう。となるとおおむね閉場の30分ぐらい前から撤収、あるいはその準備に取り掛からなければならない。

 撤収にはなかなか気を使いそうだ。

 

 ともあれこの日は時間内には撤収が完了した。

 

演習を振り返って

 見えてきた各課題と現状で取りうる対策を総括しておく。

 

課題1

 仕切りの導入に伴う設営と撤収にかかる時間の増大

対策

 設営についてはそこまで所要時間は伸びないと見ている。

 問題は撤収。こちらは余分に時間を見込んでおく。感染対策を重視する観点からすれば、撤収を前倒しで行うのもやむを得ない。

 

課題2

 見本誌の展示

対策

 対策といえるほどのものではないが、必要な道具を購入後にさらなる演習が必要かもしれない。

 

課題3

 仕切り

 大小それぞれの仕切りの使い勝手は一長一短だと感じた。

 その上でどちらを用いるかであるが、これは実際に売り子をする僕と蒸奇都市倶楽部とで話し合って方向性を決めていくことになると思われる。

 

 すでに示した良い点や懸念をまとめておくと以下の通り。

 

大きい仕切りの良い点

・組み立ては難しくない

・フィルム部が大きいので飛沫軽減に役立ちそう

・下に隙間があるので受け渡しが楽

大きい仕切りの懸念

・大きいので持ち運び(外での取り回し)に苦労する

・風や雨に弱い(雨の日は持ち歩けない)

・撤収時のフィルム面がちょっと不安

 

小さい仕切りの良い点

・組み立てと分解が楽

・軽くて持ち運びも楽(小さい鞄に差せるのが特に良い)

小さい仕切りの懸念

・座った状態で立った人の相手をするときの視界

・外箱がそのまま土台になる(外箱が傷つくと使えなくなるかもしれない)

・受け渡しは横からになる

 

 これらの点を勘案すると大まかな方向性が見えてくる。

 近場の都市*7 のイベントに参加する場合の基本は大きな仕切りとし、遠い都市*8 のイベントに参加する場合は原則的に持ち運びが便利な小さい仕切り、と使い分けていく形に落ち着くのではないだろうか。

 もちろん近場であっても雨の日ならば例外なく小さい仕切りに変更する。日帰りが可能ならば家を出る前の天気を見てどちらの仕切りにするか判断して切り替えればよい。

 そして宅配搬入の積極的な利用の検討だ。当日に仕切りを持ち運ぶにあたって、その他に同時に併せ持つ荷物を削減できるのは大きい。特に重量物となる本の持ち運びを無くせるのが強い。

 

 仕切りをどちらも段ボール製としたのは、持ち運びと組み立て、そして導入費を抑えることを前提にしているからだ。

 強度という点ではアクリルパネルがよいのだろう。だが重さを考えると紙製に分があるわけで、引き換えに脆くなるのはやむを得ない点であると了承している。

 透明フィルムだけを買うという方法も検討した。しかしこれは別途でスタンド付きポスタースタンドのような吊り下げる器具が必要になる。当方ポスタースタンドを持っていないので、それならもう最初からフィルムが付いている組み立て式がよいのではないか、となった次第。

 

 お金については、感染対策という観点から露骨にケチって疎かにしたいわけではない。ただ個人の持ち出しでやり繰りしている活動であるから無駄遣いは抑えたいもの。そこらの収支関係というか、均衡を考えながら、できる範囲でよさそうなものを購入した。そうして買い入れたものが使えそうかどうか、こうして予行することで実際に確認しているわけだ。

 この点から言えば今回の仕切りの出来には(いまのところ)満足している。ただその本当の評価は実際に即売会に出て使用してみるまで保留としておきたい。

 

最後に:演習を終えての雑感

 本来の目的である仕切りの組み立てと分解は経験できたし、その過程や設営イメージの段階でさらなる検討要素や懸念事項も発見できたので、ひとまずの演習としては上々な出来であったと自賛しておく。

 

 改めて導入した仕切りのアフェリエイトをもう一度貼っておく。

 

 

 

 さて、今後も取り得る感染対策はしっかり行っていきたいと思う。もちろんその対策の中にはこうした設営やサークル活動のみならず、体調管理や普段からの生活態度、心がけも含まれよう。

 そして前の記事でも書いたが、即売会における最大の感染対策とは欠席に他ならない。このことを念頭に置き、引き続き感染対策に努めていきたい。

 

コクヨ カルトン つり銭受け DT-100B

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  • メディア: オフィス用品
 

 

*1:個人的所感の表明および公開にあたっては蒸奇都市倶楽部の承諾を得ています。

*2:ちなみにフック部分は早々に折れた。100均だから仕方ないね。

*3:距離に関してはメジャー等を持ち込んで実際に計測すればよかったと反省。

*4:サークル側から見た様子の写真や、座った目線での撮影を失念していたのは痛恨の極み……。

*5:消毒液に関して、合体配置のサークルなどは2サークルでひとつとしてそれぞれのスペースの境界線上に置いてみるのもいいかもしれないのではないかと感じた。

*6:本や鞄、梱包材などは別の長机の上に置いたままの状態であった。

*7:電車などを乗り継いで2時間内外で到着できるエリアかな。

*8:泊まりがけの場合はもちろん、飛行機や新幹線、高速バスなどで長距離の移動が生じる場合。いわゆる旅行とみなされるようなケース。